9月になっても早々に涼しくなんかなるものか!と思ってたけど
このところ、日中は暑くても夜はひんやりとすっかり秋。 こうなってくると、そろそろミステリーが読みたくなってくる。 そんな訳で選んだ理由は相変わらずの装幀にビビッときた『オーデュボンの祈り』 読み終えて、ゾクゾク〜っと。 本の内容が怖いからって訳ではありません。 久々に出会うスゴイ作家の予感です。 何も知らずに読んだけど作家、伊坂幸太郎氏のデビュー作でした。 (ストーリー) コンビニ強盗に失敗し逃走していた伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。江戸以来外界から遮断されている“荻島”には、妙な人間ばかりが住んでいた。嘘しか言わない画家、「島の法律として」殺人を許された男、人語を操り「未来が見える」カカシ。次の日カカシが殺される。無残にもバラバラにされ、頭を持ち去られて。未来を見通せるはずのカカシは、なぜ自分の死を阻止出来なかったのか?卓越したイメージ喚起力、洒脱な会話、気の利いた警句、抑えようのない才気がほとばしる! 喋る案山子?まるでファンタジー?なんて言葉で全部が片付けられそうな設定なのだが 読んでみると、明日にでも自分に降りかかるような惨い恐怖感が潜んでる。 このシュールで非現実的な世界観を完全に言葉で表現して、バラバラなキーワードが 最後に繋がっていくのは圧巻。 他の作品もどんどん読んでみたいです。 さて、話しは変わってこの本の装幀の彫像作家は三谷龍二さん。最初にジャケ買いしたベルンハルト・シュリンク著の 「朗読者」の装幀も手がけている。 伊坂作品では「重力ピエロ」「ラッシュライフ」、も三谷さんの装幀。松本市で木工家として木の器を作っていらっしゃる。 いつか欲しいな〜と狙っている漆仕上げの「黒い器」 彫像も器にも独特な時間が流れてて、色んなストーリーが聞こえてきそうです。 三谷龍二の「木の器」オフィシャルHP オーデュボンの祈り 伊坂 幸太郎 / 新潮社
by kohakuza
| 2006-09-07 21:14
| Books
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