オダギリジョー、香川照之主演の『ゆれる』を観に行きました。
映画を観る前には、何の予備知識も入れない私ですけど、まだ観ておられない方々には 一言、『これは是非観て!』と自身を持って言いたい1本。 監督は「へび苺」の西川美和。(1974年生まれ)この作品の完成度にして この若さも驚いたけど、オリジナルの脚本で映画を撮る人は珍しい昨今「へび苺」も「ゆれる」も 彼女のオリジナル脚本作品で更に驚いてしまった。 ストーリーは特別な設定ではない。 田舎に残って父親の面倒を見ながら家業のガソリンスタンドを切り盛りする兄、稔(香川照之)と 東京でカメラマンとして成功した自由奔放な弟(オダギリジョー)。 何年ぶりかで実家に帰った弟、猛と共に兄は幼なじみの智恵子と懐かしい渓谷へと足をのばす。 そこで起こったひとつの出来事。事故なのか、事件なのか。その出来事をめぐって、弟と兄の人生がゆれ動く……。 兄と弟。一見して深いようで希薄な絆。 家族であると言うだけで離れていても同じ事を考えてるような錯覚に捕われるが、 それぞれが描いている思いは様々で、対極する事もある。 しかしその思いはオブラートに包まれていて、本音を口にした途端「家族」と言う サークルは粉々になってしまうのだ。 それにしてもキャスティングが絶妙。 弟のオダギリジョーも素晴らしいが(女性監督ならでわのサービスショットも多数?) 兄の香川照之の演技には圧倒されてしまった。 普通の人が突然、猟奇的な犯罪の被害者になり、 「そんな事をする人に見えないイイ人」が加害者になる事件の多い今日この頃なだけに 香川照之演じる、真面目で正直者の兄の見せる心の闇の部分に切り替わる瞬間 スイッチが入って目が豹変する瞬間が 演技とは思えないぐらいの恐怖感を感じさせる。 そしてラストのあの表情。・・・すごい役者さんだー。 もう一つの兄弟、父親の伊武雅刀と兄で稔の弁護を引き受ける蟹江敬三も、深く控えめな演技。 そして検察官の木村祐一。この人、顔だけでも充分な存在感があるけど、ネチッとしてて突き放した喋り方につい惹き込まれます。 もう一人、存在感をまったく消し去った裁判官、田口トモロヲも。 このくせ者の役者を完全に手中に納め、 「ゆれる」と言う題材にして最後までブレのないストーリー。 最後まで感情がゆれたけど、揺さぶられて気持ちが浄化された。 あまり監督や役者で観る映画をチョイスしないようにしてるけど 西川美和監督の力って凄いっ!と感じた作品でした。 『ゆれる』 オフィシャルHP 西川美和監督・インタヴュー
by kohakuza
| 2006-07-28 02:47
| cinema
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