カテゴリ:cinema( 60 )
ブロークバックマウンテン
f0019410_14402748.jpgやっとBrokeback Mountainを観に行く事が出来た。
カウボーイ同士のラブストーリーと言う事だけは
知ってたけど、それ以外の情報は耳栓してたので
新鮮な気持ちで映画を楽しめた。

スクリーンいっぱいの大自然と、決して器用な生き方をして来た思えないイニスとジャックが羊を追って山に入り、過酷な自然に向き合いながら淡々と仕事をこなしていく。
閉ざされた環境の中で二人の愛は衝動的に始まり、この後20年続く事になる。

最初、この突然衝動的に思える男同士のラブシーンに
驚いたと言うか、そんなイキなりなの?と疑問に思えたけれどよくよく考えてみたら、見渡す限りの大自然、まさに地球の中で二人だけ取り残されたような日々を過ごす彼らにとっては、ごく当たり前の本能の交差だったのかなとも思える。

しかし世間と隔離された美しい世界での出来事は
山の仕事を終えて、現実的な生活に戻った彼らにとっては、
増々色濃く、かけがえの無い物になっていく。
それぞれが世間体に対して常識的な、異性との結婚をした二人は
心の隙間を埋めるために度々で釣りと偽って、
誰もいない自然の中で過ごす二人きりの数日間を諦める事が出来ない。
しかし年月が過ぎても、決して夢の世界を
現実の世界に変える事は許されない。

今の世でも、やはり特別視される同性愛。
イギリスでは同性愛カップルの結婚も出来る事になったけれど
1960年代のアメリカの保守的な土地柄を考えたら
あまりにも現実離れしてたのかもしれないなー。

自分の本心よりも、背負っている環境や常識の枠から逃れられず
一人、壁を叩いて嗚咽し泣き崩れるイニス。・・・・辛い。

観ている内に、同性愛ではなく
シンプルに愛の物語として、考えさせられるな〜と思いました。
見終わって、ぼーーっと考えながら帰ってる時に
色々思いめぐらされる、後味切ない映画です。

久々に聴いたウィリー・ネルソン (Willie Nelson)の歌声も
"He Was A Friend Of Mine"
しみじみとして良かったです。
Brokeback Mountain [Original Motion Picture Soundtrack]
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by kohakuza | 2006-03-29 16:38 | cinema
ベアーズ・キス

f0019410_16433763.jpg孤独なサーカスのブランコ乗りの少女と
親を撃たれた小熊のミーシャ。
ミーシャを飼い育て愛情を注ぐうちに
クマは人間に姿を変えれるようになり、二人は恋に落ちる。
ロシアのシベリアを起点に、スウェーデン、ドイツ、スペインとヨーロッパを巡る道程で
現実世界とはかけ離れた部分にあるサーカスの世界と
その中でさえも許されない二人の恋。
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余りにも動物に対して愛情を注ぎ過ぎて
「あ〜お前が人間だったらね〜」などと
思うのは女性だけなのかな?
人間には無い(もちろん自分にも無い)
生き物の純粋な部分を見ると、
誰もが思ってしまうのかもしれない。
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素敵な題材の大人のおとぎ話のような映画ではあるが
もう少し、シベリア〜スペインへの距離感や
旅の特徴を出してほしかった。土地を移るごとに出て来る絵本のような見開きが無いと、
何処にいるのか曖昧になってしまう。
特にスペインからシベリアへ少女とミーシャが帰るところは
何だかとっても呆気ない。
ラストシーンまでもが希薄に感じてしまうので惜しいなー。
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とは言え、ローラを演じたレベッカ・リリエベリはとっても目力があってカワイイし、熊のミーシャを演じた
セルゲイ・ボドロフJr.(監督の息子)も独自の寂し気な瞳が魅力的だった。
他にはどんな作品に出演してるのか?と思って調べてみたら
『2002年9月20日、監督作の準備中に北オセチア共和国の山岳地帯で発生した氷河崩落に巻き込まれ、惜しくも30歳でこの世を去った.』とあった。
何て、残念な事・・・。
この映画を見た後だから、彼が純粋な動物へ生まれ変わっていたら
いいのにな。と思ってしまった。


オフィシャルホームページ BEAR'S KISS
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by kohakuza | 2006-02-19 17:38 | cinema
オペラ座の怪人
去年見逃してしまったけれど、やっぱり大画面で見たいので
DVD観賞をしばらく我慢してた『オペラ座の怪人』
オリンピックと共に我が家にやってきた液晶大画面テレビで今日やっと見る事が出来た。
日本では四季の舞台で何度も演じられてるし、有名な物語。配役を聞いた時は、ファントム役のジェラルド・バトラーってどんなヒト?何だかモッサリしてるわ〜などと思ってしまったのだけれどイヤイヤ歌うと素晴らしい!しかもとってもカッコイイ!
マスクを取っても全然カッコいいじゃん!と突っ込みたくなる程ですから、顔を背ける意味が分からない私でした。
f0019410_21115785.jpgもう少し若き恋人のラウルに男気があったりカッコよくて応援させてくれたらいいのだけど、最初から最後まで何とな〜く後からやって来た邪魔者王子様みたい。『首を絞められないように』と、ちゃんと注意を受けたにも関わらず、ファントムに余りにも簡単に縛られてしまう。しかもアッと言う間に頑丈に縛られてしまう。←アッケナイ
舞台を見た時から、最終的に若い恋人を選ぶクリスティーヌの選択に納得できない私は今回増々、ファントムに肩入れしてしまいました。私だったら、自分の才能を引き出してくれた人に惹かれるけどな〜。と、少々ミーハー気質が前面に出た感想でした。それにしてもオペラ座の劇場の舞台裏の雰囲気やシャンデリアが落ちて来る有名なシーンは雄大でゴージャス。例のファントムのテーマ曲が頭の中から離れなくなって、妙に大きなリアクションで歌いながら料理したりしてしまいます。やっぱりミュージカル見た後はこうでなくっちゃね〜♪

The Phantom of the Opera (2004 Movie Soundtrack)
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by kohakuza | 2006-02-14 21:46 | cinema
THE有頂天ホテル
f0019410_0431674.jpgどこのブログでも大人気の『THE有頂天ホテル』
見に行く前は映画の情報を頭に入れないで
行きたいので、どの記事も見ないように
見ないように流して、やっと映画館へ
足を運べました。でも、小耳に挟んでたとおり
やっぱりスゴく笑えました。コレに尽きる!
私のお気に入りは何と言っても、筆耕係「右近さん」
オダギリジョー
には、この役で完全にハマってしまいました。『オペレッタ・狸御殿』の雨千代では、
美剣士役でチャン・ツィーと甘い歌声でデュエットを披露してくれ、この右近役では男前を打破し、超地味で繊細な筆耕係を好演。監督は唐沢寿明には一九分けの変な芸能マネージャー、オダギリジョーは妙にオデコの広いヅラを付けさせて、イケメンイメージを完全に壊してる。二人ともそれを楽しんで演じてる所がカッコイイ。謎のコールガール、篠原涼子は最高にキュートでセクシーでした。
それと忘れちゃいけないアヒルのダブダブ!ラブリ〜

ブラボ〜!あぁ面白かった!
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by kohakuza | 2006-02-08 01:22 | cinema
カイロの紫のバラ

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私の大好きな映画の1本
ウディ・アレンの『カイロの紫のバラ』
映画を愛する人なら、このタイトルにビビっと来るに決まってる!と私は勝手に思っている。




主人公のセシリアは暴力をふるう夫に耐え、ウエィトレスとして働いている。
そんな彼女の唯一の楽しみは映画館へ通う事。
ある日何と映画の中のスターが彼女に話しかけ、スクリーンを飛び出して彼女と逃亡する。
映画の中と現実が入り乱れてのファンタジックでほろ苦いラブストーリー。
こんな無茶苦茶だけど、誰もが映画館で見てしまう夢の世界を違和感無く、
最後まで惹き付け感動させてしまうウディ・アレンは凄い。

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この映画が何故こんなに好きなのかと言うと、やはり映画を見るという事に
喜びに見出している人にスポットを当てているからだと思う。
最後、主人公は全ての物を失ってしまったのに、今までのように儚い虚構を
追いかけているのではなく、
本当に愛す事愛される事を知り、生き生きとした力強い目で映画を見続けます。

この映画を見ると涙が止まらず、
『バンザ〜イ映画があって良かった!』と心から思ってしまう。

世に出される全ての映画は
こんな風に映画を愛した人が
作り出すのだから気に入らなくても、
どこかいい所を探してみたい。
と、観客として初心に返る私でした。

・・・と言いつつ、
スグ忘れて文句言っちゃうけど。


カイロの紫のバラ
Woody Allen/ Mia Farrow/ Jeff Daniels
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by kohakuza | 2006-02-06 17:13 | cinema
映画 『博士の愛した数式』
原作にあまりにのめり込んでいると、映画化された時に自分にとって
大事なエピソードが割愛されてたりすると、ガッカリする事は多い。
逆に原作に忠実になり過ぎて、あれもこれもと詰め込み結局薄っぺらな映像になってしまう事もあり、それはそれで文句が言いたくなる。「博士の愛した数式」は以前も紹介したけれど、多くの人がこの小説を愛してる事と思うのできっとドキドキしながら
映画館に足を運ぶと思う。
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しかしその不安を吹き飛ばすような冒頭シーン。
原作では家政婦の母親の回想になってるところを、
博士の意志を継いで数学教師になっているルートの回想から始まります。

子供達に愛情を込めて博士の事を話すシーン。
ここで観客も数式や数の不思議さ無限さを教室にいる生徒として
ルートから教わる事ができます。
このシーンだけでも何とも愛情深く嬉しい気持ちになれるんです。

この作品を小泉堯史監督は、
原作をしっかりと噛み砕き、身体を循環させて産み落としたんだなと思いました。
小説でしか描けない表現、映画でしか作り出せない表現、役割がちゃんと分かれていて
どちらも素晴らしいのです。

そして最後に小泉堯史監督が訳した
ウィリアム・ブレイクの詩が引用されてたのが、とても心に残りました。
もう一度観たい美しい映画だなー。


「博士の愛した数式」オフィシャルサイト
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by kohakuza | 2006-02-02 04:17 | cinema
SAYURIとオペレッタ狸御殿
先日、去年見逃して悔しかった『オペレッタ狸御殿』を見て
遅ればせながら多いに感動した私。
今までは主演のチャン・ツィイーの事あまり気にしてもいなかったのに
『恋する炭酸水』を歌い踊る彼女にすっかり魅了されて
今度は見逃さないように「SAYURI」を映画館に見に走った。

評判どおり日本の時代背景や京都の事を考えると、
確かにオイオイ〜!と突っ込みを入れたくなる場面続出。

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着物好きな私にとって、左前の着付けや
不自然な袖や肩の縫い代など、
「あ〜そこだけは守って〜」と
言いたくなる所も多い。



ただファンタジーとして見ると素晴らしいです。
これはロブ・マーシャルが
日本を見て感じとった世界観。
その世界観を忠実に演じきった女優達。



特にサユリの敵役の、コン・リーはやっぱり凄い女優です。
とにかく艶っぽさがピカイチだったんではないでしょうか。
彼女がハリウッド映画初出演だったなんて驚き!

そして監督の世界観に一番突っ込みたかったはずの桃井かおりも、
きっとサユリ役をやりたかっただろうと思う、工藤夕貴も素晴らしかったです。

そのサユリ役を射止めたチャン・ツィイー。
彼女は不思議な魅力があって、狸御殿でも
「妖怪ばかり撮っていた鈴木清順監督が妖精を撮った。」と言わせる程の
透明感あふれる魅力を持っていると思う。
その魅力に勝てる日本の女優が思い浮かばないんだなー。

この2本の映画、どちらも時代劇でありながらまったく時代に添う気ナシ。
そう言う意味では、もう少し「SAYURI」には鈴木清順ぐらいの
ぶっ飛んだ演出で完全に異国感を出し切ってもよかったような気がする。

そうすればもう少しチャン・ツィイーが文化面などを気にする事なく
イキイキ出来たんじゃないかな?

その点では「オペレッタ狸御殿」の狸姫のツィイーの方が
自由で魅力的に見えたのは私だけ?

本人に聞いてみたいな〜。(←ギャラ関係無しで)



『オペレッタ狸御殿』オフィシャルサイト

『SAYURI』オフィシャルサイト
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by kohakuza | 2006-01-15 01:04 | cinema
オペレッタ狸御殿
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去年見れなかった映画で、悔やんでいた作品をこの連休に見る事にした。
それは『オペレッタ狸御殿』 鈴木清順監督。

感想は・・・いやはや、も〜最高! 劇場で見たかった〜!

チャン・ツィーの事、こんなにカワイイなんて今まで気付かなかった!
歌声も小鳥のようです。
オダギリジョーも艶っぽくて素敵。
それにこの二人のデュエット曲『恋する炭酸水』
何とも可愛くて素晴らしいです。一度聴くと即、鼻歌になってしまいますよ。


劇中劇のように書き割りのセット、伊藤佐智子さんの衣装、
そして奇天烈だけど懐かしいサウンドトラック。
平幹次郎、由紀さおり、薬師丸ひろ子などの怪演も素晴らしい。

チャン・ツィーが中国語、他の人は日本語のセリフと言う
変わった設定なんだけど、まったく違和感なく、鈴木清順の世界へ入れます。

劇中、ツィー(狸姫)が蛍を呼んで
『朝顔が蛍の光を朝日と間違えて咲くのですよ』と言うと

オダギリジョー(雨千代)は
『ステキな思い違いだ!』と言うシーンがあるのですが

まさにこのセリフどおりの、ステキな思い違いをおこさせてくれる映画です。



それにしても私が「ツィゴイネルワイゼン」を初めてテレビで見た時
釘付けで見てはいけない物を見てしまってるようで、スゴく衝撃を受けたけど
その時すでに監督はおじいちゃんだったから、今は一体お幾つなんだろう?


こんな世界を表現できる人が日本にいるなんて誇らしい事です。




オペレッタ狸御殿 オリジナル・サウンドトラック
白井良明 大島ミチル オダギリジョー チャン・ツィイーパパイヤ鈴木
東京スカパラダイスオーケストラ

DVD オペレッタ狸御殿 プレミアム・エディション
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by kohakuza | 2006-01-10 02:32 | cinema
『SMOKE』
クリスマスに見たい映画2として
私はこの「SMOKE」が大好きです。
もちろんクリスマス以外に見ても、素晴らしい作品です。

「SMOKE」は小説家ポール・オースターによって書かれた
短編「オギー・レンのクリスマスストーリー」を読んだ
中国人の映画監督ウェイ・ワンがこの作品に惚れ込み5年がかりで作った作品。

原作も映画とは又違った、味わいでオースターの世界に引き込まれますよ。


スモーク&ブルー・イン・ザ・フェイス
ポール・オースター 柴田 元幸





淡々としたNYの日常の中にある偶然と必然。
視覚の外で起っている奇跡のような出来事。


最後まで映画の中の劇中劇のように、曖昧に終わってしまうのですが
それが見る人をNYの街角にある、小さな煙草屋へ連れていってくれるような
気持ちさせてくれます。
クリスマスのイルミネーションもサンタも、プレゼントを運んでくる
素敵な恋人もこの映画には出て来ないけど
見終わった後、じんわりと瞼の中に浮かんで来るような温かい感じかな。

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それにしても、今見ると新鮮なぐらい
登場人物は最初から最後まで煙草を吸いまくってます。
ハーベイ・カイテルは煙草が似合うなー。
渋い!!


SMOKE
/ ポニーキャニオン
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by kohakuza | 2005-12-24 05:54 | cinema
クリスマスに見る映画1  『クリスマス・ツリー』
今日は大雪でした。
この雪に大喜びしたのは、王子動物園のパンダのコウコウ。
パンダは寒い所に住んでいるので、雪が大好きらしいですよ。
こんな日はきっとイルミネーションも綺麗だとは思いますが
お家で居たい方はクリスマス映画なんてどうでしょう?

昔はこのシーズンに何度もテレビでやっていたはず?の
『クリスマス・ツリー』と言う映画です。
私が初めて見たのもテレビでした。
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男の子と父親がバカンスに海で泳いでいると、軍の飛行機が落ちてきて
放射能を浴びてしまいます。
その後男の子は急性白血病を発病してしまい、父親は息子の短い余命を知ります。
男の子に残されたわずかな時間を、必死に楽しく過ごさせようとするお父さんは
プレゼントに動物園からオオカミを盗んできて息子を喜ばせます。
男の子は残された時間をまっ白な雪景色の別荘で
オオカミとお父さんと過ごすのでした。
クリスマスツリー、そして悲しいオオカミの遠吠え。
とても悲しい映画ですが、クリスマスの原点にある
家族の姿が描かれている、素敵な映画です。

見たのがかなり前なので、ちょっとストーリーが曖昧ですが
真夜中の動物園から息子のためにオオカミを盗み出す
お父さんの姿に感動してしまいました。
そして子供ながらに、自分なら何の動物を盗んでもらうかを
必死に考えた記憶があります。(そんな映画じゃないんですけど)

「私なら絶対パンダだ!」と決心してたせいか
今でもパンダを見ると、クリスマスツリーの下でパンダと戯れながら
死んでしまう自分を思い浮かべては、一人大泣きしてた事を
思い出してしまいました。

もう一度見たいなー。
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by kohakuza | 2005-12-23 03:26 | cinema