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青春漫画〜僕らの恋愛シナリオ〜 
クォン・サンウの映画を観たのは、初めてだったけどイキなりオカッパでした。
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(ストーリー)
ジャッキー・チェンに憧れ世界的なアクションスターとなって映画に出演するのが夢のジファン(クォン・サンウ)と人前に立つと心臓がドキドキしてしまう舞台恐怖症を持っている駆け出しの女優志願であるダルレ(キム・ハヌル)は、13年間兄妹のように育った幼なじみ。今も昔も会えば、ケンカばかりのふたり。だが、いつのまにかそれぞれに別の恋人ができた。互いに微妙なすれ違いを感じつつも、かけがえのない友情は変わらない。そんななか、ジファンはアクション俳優として、ダルレは映画俳優としての夢を実現する。が、幸せも束の間で・・・。。



ストーリーに特別なひねりは無く、すんなりと誰にでも楽しめるように出来上がってる作品。
でも、こんなストレートな物語を嫌味なく爽やかに演じきれるのは、やっぱり韓国映画ならでわ
かも。マッチョな肉体が売りでストイックな俳優かと思っていたクォン・サンウが、ジャッキーに
憧れるお馬鹿でやんちゃなジファンをコミカルに演じてて印象的。この髪型も似合ってる!
だけどダレルを演じたキム・ハヌルは殆ど印象が薄くて、もう少しメリハリのある女優だったら
作品に深さが出たんじゃないだろうか。
それともクォン・サンウを引き立たせるためなのかな?


f0019410_213814.jpg もう一人、チョン・ギュスが演じる、トラック運転手
←キャバレーの歌手、ダンスコーチと職を転々としつつ
男で一つでジファンを育てた、今は小説家志望の浮き草的な父親が
とびきり愛すべきキャラクターでした。
お父さんが小さい頃のジファンとダルレの恋を結ぼうと奔走する姿が
何ともほのぼのさせられます。




そう言えば小学生の頃、日曜洋画劇場でジャッキー・チェンの映画をやると
月曜日は学校中がジャッキーもどきの酔拳を披露するプチジャッキーな男の子で
イッパイだったな〜。(そう言う私もその一人だったけど)
あの少年達は今頃どうしてることやら・・・?


青春漫画〜僕らの恋愛シナリオ〜 オフィシャルサイト
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by kohakuza | 2006-09-06 02:37 | cinema
『おばあちゃんの家』
お盆です。
父方の祖母は真っ黒に日焼けして田舎の海で泳ぐ私に「女の子はキレイにしとかないけん。」
と、いつも言ってくれていた。祖母はいつも真っ黒に染めた髪をキチンと結い上げ、着物をちゃんと着ていた。母方の祖母は絵を描いたり、縫い物が得意で、よく色んな物や洋服なんかを手作りしてくれた。二人で美術館へもよく行って、ジョナサン・ボロフスキー展などちょっと難解な芸術作品にも、楽しそうにつき合ってくれた。
そんな二人の祖母は、既にそれぞれ極楽浄土と天国へ旅立ってしばらくになる。
今日、二人は実家に帰ってるのかしら?
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この映画を観たとき、何の前振りも無く観たので、最初はドキュメンタリーかと思った。
主人公のおばあちゃんは、イ・ジャンヒョン監督が「何となくそこへ行ったら理想のおばあちゃんがいるような気がした。」との直感を頼りに中部・永同郡の山里でこのおばあちゃんに出会ったらしい。直感でと言うよりは、神様が「ここにいてるわよ〜」と教えてくれたのだろう。
このおばあちゃんはどんな女優さんよりも、心に残る人だった。
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(ストーリー)
母親に連れられて、ソウルから田舎に住むおばあちゃんの家に来た少年サンウ。読み書きができないおばあちゃんとうまくコミュニケーションがとれず、また不自由な田舎の生活に苛立つサンウだったが、どんなワガママに振る舞っても怒らず、サンウのために一生懸命のおばあちゃんのやさしさに、彼も心を開いていく。
ゆったりとした田舎の時間、みんなが家族と言わんばかりの親切な田舎の人々、そして語らなくても十分に伝わるおばあちゃんの深い愛情が、心にジンワリ染みわたる。おばちゃんを演じたキム・ウルブンはじめ、サンウ以外のキャストはほとんど素人。役作りなしの自然なたたずまいが、この映画を成功に導いたといっても過言ではない。



このワガママな都会育ちのサンウを見ていると、途中何度も頭をはり倒してやりたくなるのは、
私だけじゃないはずですが、どこのおばあちゃんも多かれ少なかれこんな孫の傍若無人さに
キリキリ舞いさせられてるんだろうなー。かく言う私もその一人で、今は大人になったので
「自分はイイ子だったハズ。」と思いこんでるが浄土と天国の祖母二人は、顔を見合わして
失笑してるかもしれない。

淡々と流れていくおばあちゃんと孫の田舎での生活。
ただそれだけの話しなのだが、最後に悲しい訳でも泣きたい訳でもないのに
涙が出てしまった。しかもドッバーーンと。

予告無しの涙が思いきり出たので、座布団を丸めて畳でふて寝だ。
プール帰りのようなホワンと身体が温かい心地よい疲れ、畳の香ばしいにおい。
そんな夏に戻ったような映画です。



おばあちゃんの家
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by kohakuza | 2006-08-16 06:32 | cinema
『フィッシャーキング』
先日「あつさのせい?」でテリー・ギリアム監督の『ローズインタイドランド』の開始時間を
間違えてしまった。レイトショーだったし最終日だったので、観る事かなわず。
あまりに悔しいので(自分に)帰りにギリアム監督の「フィッシャーキング」を借りるコトにした。
私のベストギリアムは「未来世紀ブラジル」「バロン」「バンデットQ」
そしてこの「フィッシャーキング」
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(ストーリー)
ニューヨークの人気毒舌DJ、ジャック(ジェフ・ブリッジズ)はある日、自分の不用意な発言によってリスナーの一人が大量殺人事件を引き起こしてしまう。数年後、DJをクビになり、ビデオショップの恋人アンのしがないヒモ暮らしを送るジャックは、同じく例の事件で、目前で愛妻を殺された事をきっかけに精神を病んでしまい、ホームレスになった元大学教授のバリー(ロビン・ウィリアムズ)に出会い、彼に頼まれて人生を変える不思議な力をもつキリストの聖杯を探すことになる…。



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この解説を読んだだけで、何もそこまでシビアな
設定にしなくてもいいじゃない!と言いたくなるが、この内容にしてニューヨークを舞台にした
ファンタジックなラブストーリーであるのは、
やっぱりギリアム監督だから。



この作品の中に私が今までに観た映画の中でも、最も美しいと思うシーンがある。

それはパリーが恋した不器用な女性リディアの、朝の出勤を目で追うシーンなのだが
彼が彼女をラッシュの中で見つけると、突然セントラルステーションを行き交う大勢の
見知らぬ人同士がワルツを踊りだして、舞踏会のダンスホールのようになるのです。
その夢のような世界は、あっという間に又ラッシュの駅の人ごみに戻ってしまうのですが、
このワンシーンでパリーの「恋」と「切なさ」の気持ちが痛いほど表現されている
素晴らしく美しいシーン。
「恋」って素敵!と誰もが素直に思えるはず。

主役のロビン・ウイリアムズ と ジェフ・ブリッジズも本当に素晴らしい演技なのだけれど
ダメダメ男のジャックの贖罪を助けようと、見守る恋人のアン(マーセデス・ルール)には思わず気持ちが入れこんでしまうし、パリーの恋の相手で不器用すぎる女のリディア(アマンダ・プラマー)もその不器用さが見守らずにはいられない、カワイイ女性を演じている。

感情を出しすぎる情熱の女のアンと、不器用で根暗のリディア、二人の女の性格はまるで違うのだけれど、二人の愛の深さと一本筋の入った強さが、このファンタジックな妄想をかかえる男達をしっかり支えていて、この映画に共感し感動できる所だと思う。


この映画の中のニューヨークは、まだファンタジーの許される街だったような気がする。
1991年の映画だけど、もっとずーっと昔の映画を観たような気持ちになってしまって
余計に切なく美しく感じれる、1本です。





フィッシャー・キング
/ ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
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by kohakuza | 2006-08-15 05:24 | cinema
『パイレーツオブカリビアン・デッドマンズチェスト』
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やっと水曜日の呪縛がなくなって
久々に活用できたレディースデイ!
しかし既に恐怖の夏休み、お子様いっぱいかしら?と
脅えましたが、既に良い子の皆は
『ゲド戦記』へ。

そんな訳で遅ればせながら行ってきました。
『パイレーツオブカリビアン・
デッドマンズチェスト』

内容は・・・えーーっと、と、と、
『ジョニー・デップの海賊モノエンターティメント』
って事ですべて納得です。
これで充分、楽しめました。

続編なのでしょうがないのですが
全てうやむや「次を見ないと分かりませんよ〜」と
言ってるようなパート2でした。




f0019410_2359758.jpg私が気になったのは、スパロウ船長とエリザベスの恋よりも
←タコ船長が心臓を捧げる程、恋した相手の女性。
&そのいきさつ。
ニュルッとしたタコ足で表現されるタコ船長の
気持ちの変化に、心が惹かれてしまいました。

ここはディズニーだし、「美女と野獣」のように
最後は魔法がとけてタコ船長が魅惑の王子様に
変身してくれたら嬉しいな〜などと。


まったく本題とは、かけ離れてますけど。
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by kohakuza | 2006-08-03 00:14 | cinema
サヨナラCOLOR
いつも貸し出し中になってた「サヨナラCOLOR」をやっとレンタル成功。
竹中直人が原田知世と同級生と言うのは、いささか引っかかるが
そこは軽くスルーしよう。映画ですから。
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ストーリーは・・・
思い出してくれましたか ? 僕のこと
海を臨む病院に勤める医師・正平(竹中直人)の元に、子宮がんを患った未知子(原田知世)が入院してきた。偶然にも未知子は、正平が高校時代思い焦がれた初恋の人、その当人であった。献身的に治療を施しながら、なにかと自分を思い出してもらおうと試みる正平。始めのうちはしつこくされて迷惑気味の未知子だったが、いつしかそんな彼に心を開いていく。


ガンを患う初恋の人と、自らもガンを克服し再発に怯えながらも献身的な治療をする医師。
こんな設定だけ聞くと、いかにも泣かせる場面多数の韓国映画のようではあるが、
この作品の中では、時は淡々と流れていく。
初恋の人を想いつつも、居酒屋の女将を愛人に持っていたり、
電車で会った女子高生と援交したり、主人公を演じる正平はどこか滑稽だ。
未知子を取り巻く人間関係も恋人が段田安則で、何か滑稽。
だけどその滑稽さが愛おしい物語だった。

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実は私がうら若き乙女の数年前(ウソ、ちょっと若かっただけ)何気なく行った病院で
「ガンのおそれもあるし、一応細胞検査しときましょう。」などと
軽く医師に言われた事があった。
「へっ?」と言う声が頭の中で聞こえたような気がしたけど、その後どういう流れで
検査して、病院を出たのかさっぱり覚えていない。
何せ身体はちっとも悪くないし、病名もらった事無いし、あわわであった。

しかし今思うと大変なショックだったのだけは確かで、家に帰るまでにぶつかる
何個かのコンビニの店内をぐるぐると歩き回って、家族や彼氏に何と言おうかとか
友人にメールしかけては消したりして、結局その日は彼氏にも
家族にも友人にも言えずに、夜になって家に帰った。

その後結果が出るまでの数日間、結局は誰にも言えず
さすがに食べ物も喉を通らず3キロ程痩せて、検査の結果は・・・
「あっ、問題ナシでしたよ。ヨカッタね〜」と、これ又軽かった。
(今考えると、この数日間が一番身体に悪かったような気がする。)

しかし私は立ち上がって、大声で先生に感謝のお礼を言い倒した。

今思うと、かなり滑稽だなー。

この映画を観てて、その事を思い出した。
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冒頭に登場するスチャダラや病院内でちょこちょこ現れる患者役にミュージシャンが
多数出演してて、面白い。
そして大好きなBIKKEの声ってやっぱり、「お!」と反応。
そしてエンディングに「サヨナラからはじまることが、たくさんあるんだよ♪」って
曲が流れて来たら、ラストのスクリーンいっぱいの海がにじんでしまう。


「サヨナラCOLOR」オフィシャルHP


サヨナラCOLOR スペシャル・エディション
/ ハピネット・ピクチャーズ


サヨナラCOLOR~映画のためのうたと音楽~
クラムボン,Nathalie Wise ハナレグミ / インディペンデントレーベル
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by kohakuza | 2006-08-01 00:33 | cinema
『ゆれる』
オダギリジョー、香川照之主演の『ゆれる』を観に行きました。
映画を観る前には、何の予備知識も入れない私ですけど、まだ観ておられない方々には
一言、『これは是非観て!』と自身を持って言いたい1本。

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監督は「へび苺」の西川美和。(1974年生まれ)この作品の完成度にして
この若さも驚いたけど、オリジナルの脚本で映画を撮る人は珍しい昨今「へび苺」も「ゆれる」も
彼女のオリジナル脚本作品で更に驚いてしまった。

ストーリーは特別な設定ではない。
田舎に残って父親の面倒を見ながら家業のガソリンスタンドを切り盛りする兄、稔(香川照之)と
東京でカメラマンとして成功した自由奔放な弟(オダギリジョー)。
何年ぶりかで実家に帰った弟、猛と共に兄は幼なじみの智恵子と懐かしい渓谷へと足をのばす。
そこで起こったひとつの出来事。事故なのか、事件なのか。その出来事をめぐって、弟と兄の人生がゆれ動く……。

兄と弟。一見して深いようで希薄な絆。
家族であると言うだけで離れていても同じ事を考えてるような錯覚に捕われるが、
それぞれが描いている思いは様々で、対極する事もある。
しかしその思いはオブラートに包まれていて、本音を口にした途端「家族」と言う
サークルは粉々になってしまうのだ。

それにしてもキャスティングが絶妙。
弟のオダギリジョーも素晴らしいが(女性監督ならでわのサービスショットも多数?)
兄の香川照之の演技には圧倒されてしまった。
普通の人が突然、猟奇的な犯罪の被害者になり、
「そんな事をする人に見えないイイ人」が加害者になる事件の多い今日この頃なだけに
香川照之演じる、真面目で正直者の兄の見せる心の闇の部分に切り替わる瞬間
スイッチが入って目が豹変する瞬間が
演技とは思えないぐらいの恐怖感を感じさせる。
そしてラストのあの表情。・・・すごい役者さんだー。

もう一つの兄弟、父親の伊武雅刀と兄で稔の弁護を引き受ける蟹江敬三も、深く控えめな演技。
そして検察官の木村祐一。この人、顔だけでも充分な存在感があるけど、ネチッとしてて突き放した喋り方につい惹き込まれます。
もう一人、存在感をまったく消し去った裁判官、田口トモロヲも。

このくせ者の役者を完全に手中に納め、
「ゆれる」と言う題材にして最後までブレのないストーリー。
最後まで感情がゆれたけど、揺さぶられて気持ちが浄化された。

あまり監督や役者で観る映画をチョイスしないようにしてるけど
西川美和監督の力って凄いっ!と感じた作品でした。

『ゆれる』 オフィシャルHP
西川美和監督・インタヴュー
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by kohakuza | 2006-07-28 02:47 | cinema
岸辺のふたり "Father and Daughter"
昨日に引き続き、DVD観賞。
今日はオランダのマイケル・デュドク ドゥ・ヴィット 監督『岸辺のふたり 』を。
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何年か前に何の予備知識も無く、この作品に出会いましたが
見終わった後には感情が欠壊し、顔がグシャグシャになってしまいました。

たったの8分間の短編フィルムですが
「これは泣ける!」とか言うのがウリの最近の超大作よりも、
ずっと印象深く心に残る作品です。

私は「感動した」と言うよりは、色んな感情が揺さぶられました。

原題は "Father and Daughter"で、
まさに父と娘の話しのように思えますが、
もう少し大きな意味で「人と人との想いの強さ」を
テーマにしているんじゃないかなと思います。
そう言う意味では邦題の『岸辺のふたり』の方が語感に余韻を残します。


うちだ ややこ さんの言葉との絵本も出ていますが、
この作品に関しては、まったくセリフの無い
この8分間の映像に勝るものは無いでしょう。



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それにしてもマイケル・デュドク ドゥ・ヴィット 監督がこの8分に至までの
試行錯誤ってスゴかっただろうなと思いました。
何度も何度も考え抜いて、練って練って最後の最後に、
これ以上でもこれ以下でもない作品に仕上がっていると思います。


他の作品の予告がココから見られます。Michael Dudok Du Wit
特に"Catch"がお薦めです。




岸辺のふたり
/ 東芝EMI
ISBN : B000095YQ8
スコア選択:
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by kohakuza | 2006-07-17 17:23 | cinema
ベルヴィル・ランデブー
劇場で見た時も、ひたすら不思議な感動をあたえてくれたフランスのシルヴァン・ショメ監督の
『ベルヴィル・ランデブー』DVDを購入したのはいいけど、中々落ち着いて見る機会が無かったので、この連休を生かしてじっくり見る事にした。
劇場では見落としてたキャラクターの細やかな動きや、場面の展開、そして物語の不思議な世界観、改めて見てもやっぱり新鮮な感動。フランス万歳〜!
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ストーリー
戦後まもないフランス。内気で友達のいない孫のシャンピオンに、三輪車を買い与えたおばあちゃん。シャンピオンは夢中になり、来る日も来る日もおばあちゃんの指導のもと厳しいトレーニングを重ね、ついに世界最高峰の自転車競技の祭典、ツール・ド・フランスに参加するまでになる。しかし、レースの最中にシャンピオンが謎のマフィアに誘拐されてしまう…。最愛の孫を救うため、海を越えて摩天楼そびえ立つ巨大都市“ベルヴィル”に辿り着いたおばあちゃんと愛犬・ブルーノ、そして偶然出会った陽気な三つ子の老婆達による不思議な大冒険が始まる…。
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全編ほとんどセリフは無し。キャラクター達の表情とスウィングジャズ風のリズム。
絵もセルタッチと3Dを駆使し、自転車のスピード感なんか臨場感たっぷりで身体が動いてしまいそうだ。すべてが細やかで素晴らしいのだけど、絵だけでは80分間もこんなに惹き込まれる事は無理。何よりもこの作品の完成度をあげてるのは、ストーリーだと思う。
ディズニーアニメみたいに分かりやすーく設定説明されてはいないけど、曖昧な部分が
逆に物語に深みを出していると思う。


f0019410_18435139.jpgベルヴィルって何処なの?って事も多いに疑問だ。アメリカを皮肉ってるようにも思えるけど、マフィアが自転車レースで賭博するなんてアメリカっぽくないしな・・・。街並はヨーロッパぽいような、ニューヨークぽいような。

それにしても全編とおしての音楽も素晴らしい!
でもやっぱり三つ子のお婆ちゃんのスィングは最高。

世界中で沢山の賞を取ったにもかかわらず、
意外とマイナー作品の扱いなので残念。
決してカワイイだけとは言えないキャラクターとちょっと
グロテスクな表現もあるけど大人も子供も楽しめる素敵な
映画。フランス版アメリカ版のwebサイトも
見応えありです。



ベルヴィル・ランデブー オリジナル・サウンドトラック(CCCD)
サントラ M Beatrice Bonifassi Lina Boudrault Marie-Lou Gauthier Jean-Claude Donda / 東芝EMI
ISBN : B00069BOMS

ベルヴィル・ランデブー
/ ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
ISBN : B0009ETCD8
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by kohakuza | 2006-07-16 18:55 | cinema
大悪友と『寝ずの番』
先日、大悪友のUから突然電話があり、映画に行く事になった。
この大悪友と言うのは、いわゆる悪友のスーパーバージョンで親友ではある物の
お互いの人には言えないような事を「墓場まで持って行こう!」と言いあって、
弱味を握りあってる友人である。幸い今の所、二人とも墓場に行く予定は無さそうだけど
先に死んだら間違いなく、私の愚行悪行に脚色を加えて、皆に披露し笑わせてくれる事だろう。
有り難いやら、怖いやら・・・・。

彼女と見に行ったのは、『かもめ食堂』・・・・のはずだったが、公開してからしばらく経つのに
満員で並んでいる。並ぶのは苦手なのでサッサと『寝ずの番』にした。(エライ違いですが)
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上方落語界の笑満亭橋鶴のお通夜を、弟子達が「寝ずの番」をして語らうストーリーで
評判通りかなり際どい?と言うか、小学生の落書きみたいにそのままズバリの表現なので
テレビで放送される事は無いだろうから、そう言う意味では映画館で見ておいた方がいいかも。

見に来ているお客さんの年齢層は、かなり高いように思えた。
とにかく艶話(下ネタ)の連打パンチなので、笑うに笑えない場面も沢山あるのだが
この際、ゲラゲラ、カカカとアッケラカンと笑い飛ばして、作品の波にのった方がいいようだ。
私も深く考えず、オヤジギャグのパンチドランカーになる事にした。

しかしどう考えても、爆笑の場面でお隣のご年配のご夫婦が号泣していたのは
「えっ?ここ泣くとこ??」とビックリしたが、ヒトそれぞれツボがあるらしい。
結局その深さは分からず終いに終わってしまった。

上方落語の話しなので、普通なら一人ぐらいは関西のお笑いの芸人さんを配役しそうだが
笹野高史、岸部一徳、富司純子、などの名役者さんを起用しており
作品が「えげつなく」ならなかったのが良かった。
今まであんまり個性を感じなかった木村佳乃は、この作品ではイキイキして光っていたし、
弟子の橋枝役の木下ほうかは、ひねくれ者の輝きがあって面白かった。

エンドロールに落語指導で桂 吉朝、桂 吉弥、と名前が出ており
吉弥さんはチラリと出演されていた事が、何だかホッコリしてしまった。
原作者の中島らもさんも、桂 吉朝さんも、もうこの世にいない事が
まるで映画の中だけの出来事みたいだなーと思った。
二人は天国で映画を見て「まぁ、こんなもんやろなー」と笑ってるように思える。


寝ずの番
中島 らも / 講談社
ISBN : 4062732793
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by kohakuza | 2006-05-23 17:54 | cinema
メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬
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19日まで梅田のガーデンシネマで20:20から一回だけやってる
『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』を滑り込みで見に行く。
(まだ見てない方はお急ぎを!そしてこの下は読まないでね)

最近缶コーヒーのCMにも出ている渋い俳優、トミー・リー・ジョーンズが主演と監督をした力作。
テキサスとメキシコの国境を舞台にカウボーイの仕事を得るため不法入国でやって来たメルキアデス。(フリオ・セサール・セディージョ)その彼に仕事を紹介し友情を深めて行くピート(トミー・リー・ジョーンズ)ある日国境警備隊のマイク(バリー・ペッパー)の思い違いで殺されてしまう。
「俺が死んだら故郷ヒメネスへ運んで埋葬してくれ」とメルキアデスから言い残されていた
ピートは、彼を殺してしまったマイクに遺体を掘り起させて、遺体を埋葬するために故郷ヒメネスへと奇妙な旅を始める。

それにしても不思議な映画だった。
殺伐とした国境に近いテキサスと夢の国のようなキッチュな色合いのメキシコの背景が、
更に現実感を失わさせる。
映画の中に煙で書いた文字のようなキーワードが隠されていて、見終わった後に
その言葉がこちらに問いかけて来るような感じだ。
メルキアデスとピートの間にあるのは友情なのか?愛なのか?
「殺意の無い殺人」に罪を問えるのか?
何故、老人の願いを聞かなかったのか?
ピートは何故復讐ではなく、マイクに贖罪の旅をさせたのか?
メルキアデスは何故、架空の故郷へ帰りたがったのか?
この見えない部分が作品に深みと余韻を出している。
「男の友情」なんて言葉は陳腐で当てはまらないような気がする。

主演・監督のトミー・リー・ジョーンズは素晴らしいのだけれど
ビックリしたのはマイク役のバリー・ペッパーだった。
とにかく「顔」がメチャクチャ危ない。
「ブレードランナー」のレプリ役のルトガー・ハウアーや
若いときのクリストファー・ウォーケンを初めて見た時のような、
衝撃のかなり危ない顔である。
そして映画の始めの方ではホントに最悪の男を演じ、ピートとの旅を続けるうちに
次第にアクが抜けて、まるで弟子のような息子のような顔つきになって来る。
最後のシーンの彼のセリフがいつまでも印象に残る。

『一人で大丈夫なのか』


『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』
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by kohakuza | 2006-05-14 15:14 | cinema