カテゴリ:cinema( 60 )
サヨナラ 道頓堀 東映 「仁義なき戦い・広島死闘編」
このところ気が付けば岡山、そして博多→京都→大阪と慌ただしい移動の日々です。

現実逃避するべく、相変わらずパリの思い出に浸って過ごしておりましたが
この日は完全にどっぷり大阪モード。(しかも今日は長いですよー。)
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関西の方ならご存知のなんばパークスがグランドオープンし、新しく東映系のシネコンが
オープンする同じ日に、昔から愛されていた道頓堀の東映が52年の歴史に幕を閉じて
閉館されることになりました。
この映画館と言えば高校生の頃、株主優待券を持っていた友人にくっ付いて、よく映画を
見させてもらったなー。長い事来てなかったけど、この日が最後とはちょっと寂しい。
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最後の2日間は、古い東映映画を一本ずつ1日6回上映。(しかも入れ替え無し)
かなり古い映画のラインナップで題名を見ても、ピンと来なかったのですが
『仁義なき戦い・広島死闘編』はたまに耳にするけれど(テーマ音楽も素敵)
実際には観た事無かったので、これを観る事にしました。
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このポスターのデザイン、かなりカッコイイー。
劇場の中は熱気ムンムン。
イカやたこ焼きのソースの臭いと混じって、オジさまの香りが
そこはかとなく漂っているところは昔と変わらず。(年配メンズ率90%)
でもこんな映画館って本当に久しぶりだ。子供の頃を思い出すー。

それにしても『仁義なき戦い・広島死闘編』
もんのスンゴーい映画でした。
いやぁーこんな映画が1973年に作られてたなんて感動しました。
と言うか30年前だからこそなのか、今のいわゆるバイオレンスアクションでは
太刀打ちできません。
陳腐な感想だけど、役者が演じてると思えないっ!
「どこからどこまでが役者で、どこからが本物なの?」と素朴な疑問を投げそう。
ストーリーは戦後の混乱期の広島を舞台としたヤクザの抗争に継ぐ抗争。
ヤクザ映画って義理と人情って感じなのかと思いましたが、そんな感傷のカケラは
軽く吹き飛ばされ、まさに仁義など無いバイオレンスと裏切り、欲望のみ。
その凶暴さがハンパなく迫力があって、目をそらしたくても、そらせません釘付けです。
主演の北大路欣也、若くて素敵なのですが映画の山中役では
凶暴な中にも脅えた犬のような瞳で、決してカッコよくない撃ち方で
人を殺す場面がゾッとするほどリアリティーで恐ろしかった。
適役の千葉真一演ずる勝利は、もう恐ろしすぎ。こっ、これが千葉さん、サニー千葉??
今までに見たどんな怖い人(役の上で)の中で最強でした。

ところでこの日は最後と言う事で、映画の後に北大路欣也さんの舞台挨拶がありました。

まずはこのお方の名司会から。
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by kohakuza | 2007-04-24 05:22 | cinema
『Paris, Je T'Aime』 パリ、ジュテーム
パリ珍道中の相棒と一緒に出かけました。
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パリを愛する18人の監督が映し出す、たった5分間のショートストーリー。
世界中から集まった監督達の感性がパリを内から外から描いていて、
そこには沢山の愛と切なさが詰まっている。
どれも感慨深い物があったけど、私が印象に残った3本を。
しかしこんなにもパリを愛する人が多いのは、この心にチクンとくる切なさのせいかしら。
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『エッフェル塔』 7区
エッフェル塔のすぐそばに、ひとりの男が住んでいた。彼にとって、パントマイムを演じることは人生のすべてなのに、気味悪がって誰も相手にしてくれないから、いつも独りぼっちだ。そんな彼が不審者と間違われて放り込まれた留置所で、女性のマイム・アーティストと運命的な出会いを果たす。似た者同士、すぐに意気投合したふたりの間には、やがて可愛らしい男の子が生まれる。

まずは大好きな『ベルヴィル・ランデブー』を作った、フランスのシルヴァン・ショメ監督。
映画の中なのに本のページをめくるような、世界観で
パントマイムで表現される主人公の表情が、そのまま観客の心に飛び込んでくる。
砂漠でダイアモンドを見つけたような、運命の出会いのシーンには
心がふわっーと暖かくなる。5分と言う時間を最大に生かした作品。
彼が出会う運命の女性マイム・アーティストを演じてたのは、「アメリ」でアパートの
大家さんを演じてたヨランド・モロー。

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『お祭り広場』 13区
広場の真ん中で、若い医学生のソフィが、何者かに腹を刺されて瀕死の重傷を負ったハッサンに応急処置をしている。献身的に介抱してくれる彼女を見て、ハッサンはふと思い出した。駐車場の雑用係をしていたとき、車を入れに来たソフィに一目惚れして、お茶に誘おうとしたことを。薄れゆく意識の中で、ハッサンは、あの時に実現できなかった、ソフィとコーヒーを飲む夢をかなえようとするが。
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ドイツ人の両親を持つ南アフリカ、ケープタウン生まれのオリヴァー・シュミッツ監督。
この監督の作品を観たのは初めてだったけど、強烈に印象に残る1本。
他の作品も是非観てみたい。
パリは移民の国。特にアフリカ系移民は多くて、ツーリストの私から見てもその仕事の
苛酷さが伺われる。そんな状態でも国を出てパリに来たハッサンが瀕死の重傷を負いながら
口ずさむ歌が余りにも切ない。ソフィを見つめるハッサン役のセイドゥ・ボロも初めて見る役者さんだけど本当に目が美しかったー。この作品が5分だったとは思えない!

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『14区』
アメリカのアレクサンダー・ペイン監督。
デンヴァーで郵便配達するキャロルの、パリでの“特別な1日”の物語。ひとりで憧れのパリへやって来た彼女は、ひとりで街を眺め、ひとりで食事をする。自分は自立した大人の女だし、1人旅は自由だが、「きれいね」と言いたくても誰もそばにいないのは、なんだか味気ない。そしてある日、キャロルは14区で小さいけれど美しい公園を見つける。その公園のベンチでサンドイッチを食べていたとき、“あること”が起きる。それは、キャロルにとって、何かを思い出したような、ずっと待っていたような不思議な出来事だった。

あぁ・・・。もう、パリだけではなく海外へ旅行して、彼女のような想いをした人は
沢山いるんじゃないかな?
余りにも共感し過ぎて、これって私の話し?と思わずにはいられない〜。
一生懸命お金を貯めて、やっと来たパリ。2週間ぐらいは来たかったけど犬がいるから
6日間の旅行になったキャロル。そんな彼女が泊まっているのは、
お洒落でアンティークなプチホテルじゃなくて、味気ないビジネスホテル。
そしてパリの古い街並を見下ろす59階の高層ビル、モンパルナスタワーからの眺めは
あまりに高層すぎて、何もかもが小さ過ぎる。
このタワー、初めて見た人ならあの何とも言いようの無い違和感を感じずには
いられないでしょう。
必死で覚えたフランス語で話しかけ、英語で答えられる。
街の人に聞いたお薦めレストランは中華。
著名な作家が眠る墓地をガイドブックとベルトポーチ姿で訪れるキャロル。
パリに憧れる誰もが体験するだろう、小さいガッカリ感が積み重なって
寂しさが心に押し寄せて来る頃、14区の小さな公園で彼女が体験する”あること”。
この”あること”とは?
多分、見る人によって違うのじゃないかしら。
でも何だかポロポロと涙がこぼれました。


他にもウォルター・サレス監督の「16区から遠く離れて」や私達がクスクスを求めて通った
5区のモスケ・ド・パリが出てくる「セーヌ河岸」、それに多くの時間を過ごした10区のサンドニ門が登場する「フォブール・サンドニ」もよかったー。
そしてエンディングに流れるファイストの「我々はみな踊りの中に」La Meme Histoireが
とてもよく映画に合っていて、18本のストーリーを結びつけてくれる。

もしかしたら、最高にいいタイミングでこの映画を観れたのかもしれない。
何せ今の私がまさに「パリ・ジュテーム♡」
もう一度、パリへ行きたくなりました。


「パリ・ジュテーム」HP
パリ、ジュテーム~オリジナル・サウンドトラック
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by kohakuza | 2007-04-02 01:56 | cinema
フランス映画祭 『恋愛睡眠のすすめ』
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今年は高槻だけじゃなくて難波でも開催されたフランス映画祭2007in大阪。
私が観たのは、以前から楽しみにしてた『La Science des rêves』
邦題は『恋愛睡眠のすすめ』←う〜ん?
(英題の『The Science of Sleep』でよかったような気もする。)
期待はしてなかったけど監督のミッシェル・ゴンドリーのトークイベントは東京のみ。
残念〜。

さて、映画を観るかなり前からサウンドトラックを聴きこんでたのは果たして
良かったのか悪かったのか?
と言っても、音楽の流れが分かってたからって
映画の内容が手に取るように分かるかと言えば全然そうじゃない!

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だって夢と現実が混同していく恋のお話しですから、先はまったく掴めません。子供の頃、住んでいたパリにメキシコから数年ぶりに戻った夢見がちな青年ステファン(ガエル・ガルシア・ベルナル)が彼の魅力的な隣人ステファニー(シャルロット・ゲンズブール)と恋に落ちた時、夢と現実が交錯する。・・・と言うか夢と現実の境目と言うより、夢に妄想がプラスされてステファンにも私達にもどっちなのか?分かんなくなっちゃう訳です。


それにしてもぎこちなく不器用で、まるで縫い目ガタガタな縫いぐるみのような愛おしさを持つ主人公のステファンとステファニーの設定にガエルとシャルロットの二人がピタリと重なる。
シャルロット・ゲンズブールの素の美しさと吐息のように消えそうな声が
本当に魅力的だったな〜


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ゴンドリー監督ならでわの映像も満載。実写とストップモーションの組み合わせ方が
全体的にこの映画の象徴になってる「壊れたオモチャ」的な味わいを出してて
惹き込まれてしまいます。
エンディングにもかかるDick Annegarnの「Coutances」も心に残る。

少々好き嫌いに別れる映画だろうけど、ネガティブとポジティブが秒単位で切り替わる
恋愛した時の夢見がちな妄想感には、すこぶる共感です。

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一番左からミッシェル・ゴンドリー監督とこの映画の出演者。(上の写真の猫3匹です)
何かこうやって見ると、意外と監督が一番俳優らしく見えるのは私だけ?



『恋愛睡眠のすすめ』オフィシャルHP
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by kohakuza | 2007-03-23 15:55 | cinema
ruokala lokki 「かもめ食堂」
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昨年、満員にめげて見逃しちゃった『かもめ食堂』鑑賞。
う〜ん、やっぱり映画館で観て、その後美味しい定食屋に直行したかった。
こんなに夜中におにぎりが食べたくなるとは!
何がどう面白いかって言うのではなくて、一つ一つのシーンや風景や
料理や役者の仕草や、彼女らの着ている美しいテキスタイルの
洋服やらが、観ててとっても心地よかった。

これから誰かにコーヒーを入れてあげる時は、おまじないして
「コーヒーは他人に入れてもらった方が美味しいんだ」ってセリフを思い出したい。

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ところで『かもめ食堂占い』ってのを見つけたのでやってみた。

・・・そんな貴方をちょっぴり幸せにするメニューは『おにぎり!』
とココまではよかったが、中身は「トナカイのクリーム煮」

うう、そりゃ、合わないでしょーやっぱり。






かもめ食堂
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by kohakuza | 2007-01-09 00:00 | cinema
僕の大事なコレクション
お正月ボケとは正に今の私。既に7日と言うのに
昨日まで冬眠中の熊のようにボ〜ッとしておりました。
皆さんは如何過ごされましたでしょうか?
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さて昨年は妙に忙しくて、ろくに映画にも行けませんでした。
年末に今年のベストは・・・?と考えましたが、本数が足りなかった。ガーン!
でも心に残る洋画ベスト1は『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』
邦画は『ゆれる』でした。どちらも余韻は残るがスッキリしない映画ですが
私は映画館を出た後に、色々考え込む映画の方が好きみたい。

ところで自分のベスト10は出ませんでしたが、この方の映画の記事には
いつも納得、もしくは行った気になってしまう龍眼日記 Longan Diaryのsabunoriさん
ベスト10を参考に、『僕の大事なコレクション』を借りてきました。

(ストーリー)牛乳瓶の底のようなメガネをかけたイライジャ・ウッドが演じるジョナサンは、家族にまつわる品物をなんでもコレクションしてしまうという一風変わった趣味の持ち主。ある日、祖母からもらった写真をきっかけにウクライナに旅立つことになる。写真に写った祖父の命の恩人だという女性を捜すために。そんな彼を現地で出迎えたのは、ブロークンな英語しか話せない通訳兼ガイド、目が見えないと主張するドライバーの祖父、そして犬嫌いのジョナサンをお構いなしに吠えまくる盲導犬サミー・デイヴィスJr.Jr.・・・。強烈なカルチャー・ショックを受けながらも、祖父の足跡を辿るジョナサンは、やがて思いもしなかった過去の物語を紐解いていくのだった。

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まず、思ってしまうのがイライジャの牛乳瓶底メガネ!
もの凄くよく似合ってる。(ケント・デリカットさんもビックリ)
キャラクター性を重視してるせいかキャスティングがピタリとハマってます。

イライジャ演じるジョナサンは、その不安気でも芯の通った所がピッタリの配役ですが、
アレックスのユージン・ハッツが、ジョナサンとは対照的な文化背景と性格を
上手く表現してて、前半はとても笑えました。
しかしただのデコボココンビのロードムービーかと思いきや、複雑にユダヤ人の歴史や
家族の過去を探すという深いテーマに物語は進んで行きます。
そしてジョナサンの祖父の過去を探る旅は、アレックスのルーツ、アレックスの祖父の
封じられた過去へと主人公が変わっていくのですが、同時に誰もが一度は思う
『自分のルーツとは?』という思いを奮い起こしてくれるのです。

重たくなりがちなテーマですが、最後はそれぞれの登場人物が愛おしい存在に
感じられる映画でした。音楽もとても良かったです。

それはそうと、本作で監督デビューしたリーブ・シュライバーは、この映画の根本的な
出来上りには相当迷ったのかしら?
DVDの特典映像の未公開シーン。普通なら「このシーン何故カットしたの?」って
思う所もあるはずですが、この映画に関しては未公開シーンが入ってたら
全然違ったイメージの映画(やり過ぎ)になり兼ねないので、カットされて
ホッとしてしまいました。役者はビックリでしょうけど・・・。
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上の写真はどこから見ても、↑チンピラにカツアゲされてる高校生のようですが
主役のイライジャ・ウッドとユージン・ハッツ。(笑)
ユージン・ハッツのファンになりました。




僕の大事なコレクション 特別版
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by kohakuza | 2007-01-07 02:52 | cinema
La planete sauvage ファンタスティック・プラネット
ヨーロッパカルトアニメの巨匠ルネ・ラルーが作った『ファンタスティク・プラネット』と
言えばお好きな人なら、おぉ〜と身を乗り出してしてくれるだろうけど、
キライな人は本当に楽しめないかも。お子様向けじゃないのは確かです。
でもこの素敵なポスターを見て、ちょっと見てみたいわ♪と思った方には朗報。
12月22日(金)にBShiで放送されるんです。この機会に是非見ておきたい1本です。
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ストーリーは青い皮膚に赤い目という巨大なドラーグ人が支配する惑星で、人間たちは彼らのペットになるか、害虫のように殺されるしかなかった。しかし、ついに人間たちはドラーグ人に対して反乱を起こす。S・ウルの名作『オム族がいっぱい』を基にしたSFアニメ。

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日本のアニメとは背景も作り方も思想も違っていて、まず動きがとてもぎこちないのですが
これは切り絵を一つ一つ動かすような作り方をしているため。CGオンリー世代も多い昨今の
アニメに慣れてたら、展開のゆっくりさ難解さに眠気が襲ってくる可能は大ですが
途中で眠ると夢の中でドラーグ人に支配されますよー。怖いよー!
チェコ・アニメのイジー・トルンカのスタジオで製作されただけあって、パペットアニメと時間の
流れ方が似てるかもしれません。ぎこちない動きの中に、不思議な世界感が見えてくるような気がします。

とにかくロラン・トポールの絵が素晴らしいんです。
SFなのに原始的な世界も怖いけれど惹き付けられます。
アラン・ゴラゲールの音楽がやたらロックで印象的。
1973年にこんな作品を作るとは・・・イヤ、むしろ70年代だからこそ出来た作品。
何度見ても理解なんか出来ないけど、確かに心が揺さぶられる映画です。




NHK アニメ映画劇場 BShi 12月22日(金)後11:00〜前0:12放送



見そこねちゃった方はDVDで・・・。


ファンタスティック・プラネット
/ ジェネオン エンタテインメント
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by kohakuza | 2006-12-15 01:42 | cinema
『フラガール』
米アカデミー賞外国語映画部門へのノミネーションを目指す
日本代表作品に決まった「フラガール」
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朗報を受けた異色キャストの南海キャンディーズのしずちゃんは
「思惑通り全米が食いついてきましたね」 と自信のコメントを寄せたらしい。

さすがっ!!

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実は大のしずちゃんファンなので、彼女がどんな役で
出て来るのかとても興味津々でした。
軽めのスパイス的な役かな?と思いきや
あなどれませんよ〜!

蒼井優ちゃんも美しかったけど、
負けないぐらいしずちゃんの魅力爆発でした。

(以下ちょっとネタバレ)

(ストーリー)昭和40年。エネルギーの需要は石炭から石油へとシフト、世界中の炭鉱が次々と閉山していた。そんな中、福島県いわき市の炭鉱会社は、地元の温泉を活かしたレジャー施設「常磐ハワイアンセンター」の計画を進めていた。目玉となるのは、フラダンスのショー。早速、本場ハワイでフラダンスを学び、松竹歌劇団で踊っていたという平山まどかを東京から招き、地元の娘たちのダンス特訓を始める。しかし数世代も前から山で生きてきた住民は、閉山して“ハワイ”を作る計画に大反対。まどかや娘たちへの風当たりも強く…。

今で言うところのスパリゾートみたいな所を、東北の炭坑の町で作ろう!
そしてそこでハワイアンダンスショーを見せて、ダンサーは地元の子にしよう!なんて
現代で考えても「ウソっ?」って言いたくなる計画。

だけどこんな一大計画にひたむきな夢をかけた人がいたのが、昭和の高度成長期。
まるでプロジェクトX?のようなストーリーなのだけど、明日も前向きに生きよう!なんて
素直に感動できる、丁寧に描かれた映画でした。

f0019410_16332871.jpg主役の松雪泰子、本当に美しいし演技も素晴らしい。
東京の舞台で華やかにダンサーとして生きていたのに
こんな田舎にダンスを教えるためにやって来たのは
実は借金まみれだったからですが、最初は飲んだくれて
やる気の無い、プライドだけの落ちぶれダンサー。
だけど炭坑の町の娘達とふれ合う事によって
だんだんと変化していく。

そして、ダンスを教えていた娘に暴力をふるった父親に
キレて銭湯に殴り込みに行くシーンなど、
正に体当たりで迫力あって熱さが伝わってきてスゴイのです。
思わず「どこまでも付いて行きます!」と言いたくなります。

他にフラガールの結成を見守るマネージャー役の岸部一徳も、やっぱり上手い。
別れを言う松雪泰子に「先生、いい女になったねー。」とポツリと話すところなど
グッと胸に応えます。

最後の息をのむようなダンスシーンを踊りきった蒼井優と他のダンサー達も
ホントに拍手喝采したくなる。元気になれる映画でした。

ちなみに映画館シネ・リーブル前にはこんな看板が・・・・
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もちろん、私は顔入れて写真撮りましたよ。(友人は年賀状に使うわ〜と喜んでた)
見終わった後、皆さんも是非「フラガール!オーッ!」と、叫びたくなるはず。


フラガール・オフィシャルHP
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by kohakuza | 2006-09-30 17:24 | cinema
『チェコアニメ映画祭2006』のエヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー
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久々に九条のシネ・ヌーヴォーに行きました。お目当ては「チェコアニメ映画祭2006」
チェコと言えば、人形をコマ撮りしたストップモーションアニメが有名ですが、今回は
アニメーションが主なチョイスになっています。
作品はどれも10分程度の短編8作品80分ぐらいでA〜Dプロの入れ替え制。(全34作品)
今のチェコ雑貨ブームにピッタリのカワイイ作品からまだ社会主義だった頃の国への
批判を秘めたシュールな作品まで色んなタイプがあって、どれも楽しめるようになってる。

本当は全部観たかったのですがラインナップを悩み見比べると、やっぱりお目当ての
エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー の『ある粉屋の話/Jsouc na rece mlynr jeden』が
入ってるAプロを観る事にしました。

エヴァはヤン・シュヴァンクマイエルの妻で彼の映画作品の美術を手がけ、二人三脚でチェコの
シュルレアリズムを牽引し世界に広めてきた画家である。
「アリス」「悦楽共犯者」「オテサーネク」など彼女の絵画ぬきでは考えられないのに
2005年の10月20日に65歳の若さで急遽した事が残念でならない。新作「Lunacyルナシー」が彼女との最後の作品になるが、彼女を失った今後のヤンの作品づくりはどうなるのだろう?
(下は「悦楽共犯者」のポスター↓)
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そのエヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー の「ある粉屋の話」はとてもとても怖いお話し。
一人の兵士の悲劇の物語。ある兵士が20年振りに家に帰ってきた。あまりに長い月日が過ぎていたため、彼が自分たちの息子だと気がつかなかった両親は・・・。
11分の短さを感じさせない程、ドキドキする恐怖感。1971年の作品とは思えない新鮮さがあるけれど、全編重厚な手描きの構成は現代のアニメでは太刀打ち出来ない、ド迫力。
子供が観たら絶対泣きそうですが、子供が泣く程怖いものを認識するのは大人になる上で
必要な事かもしれません。
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・・・と、ついついヤン&エヴァ・シュヴァンクマイエル夫妻が大好きな私は、他の7作品の
事を書いていませんでした。他も1960年代〜95年ぐらいまでの作品ですが素晴らしいユーモアとアイデアです。おじいさんが魔法のポットに入ってしまい、40人に増えてしまう
ミロスラフ・シュチェパーネク の「おじいさんは40人」には大笑いしてしまいました。

シネ・ヌーヴォでは29日までですがその後、神戸アートビレッジセンターや
京都シネマで巡演されます。ココ←
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最後にやっぱりエヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー のヤンとの最後のアートワークである
映画、『Lunacy』のポスターを。この秋公開予定らしいけど、早く観たいなー。
ご冥福をお祈りします。
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by kohakuza | 2006-09-21 02:58 | cinema
レンタルビデオ屋さんのオーナーになる♪
いつも楽しい映画や旅行などの記事満載の「龍眼日記 Longan Diary」のsabunoriさんの
「レンタルビデオ屋さんのオーナーになる♪」が、とても楽しそうだったので
私もテイクアウトさせていただきました。
どんな企画かと言いますと・・・

あなたは明日いきなりレンタルビデオ店をオープンしなければならなくなった。
と、とにかく今すぐタイトルを揃えなきゃ!
せめて五十音につき一本ずつは揃えなきゃカッコつかん!
でもどうせなら自分が好きな映画で揃えたい。
そこは譲れないところ。リストは手元にないけどとにかく発注先へ電話して…

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さて電話口であなたは何を注文する?

☆ルール
・自分の好きな映画から選ぶ
・1監督につき1作品とする
・自力で思い出す
・外国映画、日本映画は問わず


って、こりゃ面白いわ〜と思ってやってみると、結構難しい!
それでは開店しま〜す♪ちょっと長いですがおつき合い下さい。
へ〜いイラッシャ〜イ、ラッシャ〜イ♪(右は監督名)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

あ 「アンダルシアの犬」 * ルイス・ブニュエル
い 「インディ・ジョーンズ レイダース 失われたアーク」 * スティーヴン・スピルバーグ 
う 「ウィズ」 * シドニー・ルメット
え 「悦楽共犯者」 * ヤン・シュヴァンクマイエル
お 「オペレッタ狸御殿」 * 鈴木清順
か 「カイロの紫のバラ」 * ウッディ・アレン
き 「奇跡の輝き」 * ヴィンセント・ウォード
く 「蜘蛛女のキス」 * ヘクトール・バベンコ
け 「ゲッタ・ウェイ」 *  サム・ペキンパー
こ 「コックと泥棒、その妻と愛人」 *  ピーター・グリーナウェイ
さ 「細雪」 * 市川崑
し 「ジョニーは戦場へ行った」 * ダルトン・トランボ
す 「スモーク」 * ウェイン・ワン
せ 「ザ・セル」 * ターセム
そ 「ソナチネ」 * 北野武
た 「タイタス」 * ジュリー・ティモア
ち 「チキチキバンバン」 * ケン・ヒューズ
つ 「つめたく冷えた月」 * パトリック・ブシテー
て 「デリカテッセン」 * ジャン=ピエール・ジュネ
と 「トーク・トゥ・ハー」 * ペドロ・アルモドバル
な 「ナイトメアー・ビフォ・クリスマス」 * ティム・バートン
に 「2001年宇宙の旅」 * スタンリー・キューブリック
ぬ  ????
ね 「ネイキッド・ランチ」 * デビッド・クローネンバーグ
の 「ノー・マンズ・ランド」 * ダニス・ダノヴィッチ
は 「バンデッドQ」 * テリー・ギリアム
ひ 「美術館の隣の動物園」 * イ・ジャンヒャン
ふ 「ブルース・ブラザース」 * ジョン・ランディス
へ 「ペーパームーン」 * ピーター・ボグダノヴィッチ
ほ 「僕の薔薇色の人生」 * アラン・ベルリネール
ま 「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」 *  ラッセ・ハルストレム
み 「ミクロコスモス」 * クロード・ナリドサニー
む 「無能の人」 * 竹中直人
め 「メアリーポピンズ」 * ロバート・スティーブンソン
も 「モーターサイクル・ダイアリーズ」 * ウォルター・サレス
や 「野性の証明」 * 佐藤純彌
ゆ 「ゆれる」 * 西川美和
よ 「世にも怪奇な物語」 * ロジャ・ヴァディム, ルイ・マル, フェデリコ・フェリーニ
ら 「ラ・マン」 * ジャン=ジャック・アノー 
り 「リバー・ランズ・スルー・イット」 * ロバート・レッドフォード
る 「ルル・オンザ・ブリッジ」 * ポール・オースター
れ 「レッド・バイオリン」 * フランソワ・ジラール
ろ 「ローマの休日」 * ウィリアム・ワイラー
わ 「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地黎明」 *  ツイ・ハーク

私は殆ど監督とか国とか考えずに、観てる事が多いので
とりあえずは思いついた映画を並べてみて、後から監督名で答えあわせをしました。
な行が難しかったですね。全部邦題のくせに、「ね」だけ「ネイキッドランチ」にしてる所が
怪しいです〜。あと、「ぬ」はやっぱり全然思いも付きませんでした。
他にもこの映画が出したい!と思っても、監督が被っててチョイスが大変。

しかし頭の体操&自分の好き嫌いの傾向が、よーーく分かりました。
私の傾向はミュージカルとダークファンタジーが多いような?
あんまりラブストーリーや感動作は少ないですね・・・。
頭の中を整理して、もう一度観たい映画がイッパイ思い出せて楽しかったです。
すっかりハマりこんで夢にまで「架空のレンタルビデオ店」が出て来たぐらいです。

どなたかトライしませんか〜?

sabunoriさん、ありがと〜ございました〜♪
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by kohakuza | 2006-09-19 17:26 | cinema
グエムル-漢江の怪物
何故か酷評が多いらしい『グエムル-漢江の怪物』観てきました。
確かにモンスターやパニックムービーを観に行こうと思って足を運んだ人には
ちょっと肩すかしかも?でも視点を変えて家族をテーマにしたヒューマンホームドラマと思えば
ユーモアと狂気、登場人物の細かい描写など、さすがの『殺人の追憶』の
ポン・ジュノ監督です。面白いです。(以下ちょっとネタバレ)
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(ストーリー)
ソウル市内を流れる川、漢江のほとりで売店を営む一家がいた。家長ヒポンの長男カンドゥは、いい大人なのに店番すら頼りにならないが、娘のヒョンソを愛する気持ちは人一倍強かった。行楽客でにぎわうのどかな午後、人だかりのする方へ行ったカンドゥンは、橋にぶら下がり、うごめく大きな”何か”を目撃する。そして”何か”は土手に這い上がり、あっという間に人々を襲って喰い始めた。そして逃げる途中、娘のヒョンソはその怪物にさらわれてしまう。その夜、一本の電話がカンドゥンにかかってきた。「おとうさん、助けて…」。


多分、映画の前宣伝の仕方がいかにもハリウッド的パニックアクションエンターティメント!!
なのが間違いなのではないかしら?イヤ、間違いです。


予告ではグエムル(怪物)は謎の怪物?というような
得体の知れない怪物への恐怖をテーマにしてるように思えますが、
本編では冒頭に軍の霊安室が出てきてアメリカ人の医師が化学物質を排水溝へ流せと、
無責任に命令して漢江に流れ込み、数年後グエムルが生まれると言う、
ものスゴーク安直な設定。(多分、ここでヤバイと思う人は多いはず)
そして川縁でのどかに過ごす大勢の人達を、真っ昼間からイキなりガンガン襲います!
もちろんこの時、怪物は完全に姿を現してます。あらら?何か見た事あるカイブツ?

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・・・・と、こう書いてしまうとこの映画はダメなのか?と言うと、全然そうじゃありません。
主人公の家族の長男カンドゥ(ソン・ガンホ)は父が経営する猫の額程の売店の店番でさえ
満足に出来ず居眠りばかりだが、一人娘のヒョンソ(コ・アソン)を溺愛してる。
そしてグエムルが現れた時、娘の手を引いて逃げたはずが間違って違う女の子の手を引いてしまい、ヒョンソは目前でグエムルにさらわれてしまう。
ヒョンソが死んだと葬式会場で集まる家族は、感情むき出しに泣いて罵りあうのだが
悲しいはずの場面が、何故かこの家族を見てると悲しめない。
家族全員がどこか滑稽でとことん頼りない。

そんな家族がヒョンソが生きてると知った時、軍や警察を敵に回して無謀にも救出に向かう。
阻んでも阻んでも誰にも止められず、ただ自分達のやれる方法のみを信じて突き進んでいくのです。

まったくヒーロー向きじゃない家族を演じてる役者陣の演技が、この映画を支えている。
家族もそうだけど、例えば弟の携帯電話会社の先輩なんてスパイス効いてます。
もしも一人でも隙があったら、この映画は本当にB級になり兼ねない危険をはらんでる。
最後にイエローガス作戦?とか言って、漢江に細菌撲滅ガスを撒こうとするところなんて
「そんなアホな〜」と叫びそうになる。

しかしそんな怪物を殺すようなガスを同じように浴びても、ただただ自分達のやれる、信じる方法のみ(火炎瓶やアーチェリーなど)で真剣に怪物に挑む彼らの演技には引き込まれてしまう。
矛盾とか滑稽さとかを吹き飛ばす力があるのだ。
片方で安直な設定、片方では迫真の演技、そのアンバランスさが私には面白かったし
監督の狙い通りかもしれない。音楽の雰囲気でそんな風に思いました。


『グエムル-漢江の怪物』オフィシャルHP
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by kohakuza | 2006-09-14 15:43 | cinema