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『最後のマンガ展  重版 大阪版』井上雄彦
天保山のサントリーミュージアムにて
井上雄彦の最後のマンガ展  重版 大阪版へ
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どんな展示方法なのかは一切知らずに観に行きましたが
チケット売り場から只ならぬ気配。
漫画を読んでいようが、いまいが関係なくて
一歩中に入ると、大迫力でした。
息止めて、ものスゴく近くで見入ってしまう程。

絵のように場面を切り取ってはいるけれど
漫画なので、そこに時間が流れている。
でもストーリーを追ってるのでは無く
絵の中に時々現れる、蝶や鳥の目になって
描いた人生を体感したような感じでした。
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この間、ある雑誌で井上雄彦氏と松本明慶大仏師の対談があると
教えてもらい読んでみて、すごいスーパーな組み合わせだなー!とビックリした。
その中で明慶大仏師が井上氏の作品について
『井上さんの描く人物は彫刻のように自立している。』と仰しゃってたのが
とても納得する表現でした。

そう言えば、先日の京都のハプスブルグ展と対照的に若い世代が大勢
観に来てて、最初の方では「わースゲーヤバいなこの線!」とか
口々に言いながら観てたのですが
進むにつれ、しーーんと誰もが息を呑んで集中して観ていたのが印象的でした。
圧倒的な力の前では思わず黙ってしまう。
お寺の中の粛然とした空気と似てるのかも。
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心地よい疲れ。
外へ出たら、墨絵みたいな空。
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by kohakuza | 2010-03-12 09:27 | art
ハンス・フィッシャー展又は梅ちゃん。
伊丹市立美術館へ。
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「あっ、待て〜猫〜っ!」
とばかりに追いかけると、シンプルでありながら
今にもワサワサとページから抜け出てきそうな
彼の描く動物達の原画やスケッチが盛り沢山。
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『ハンス・フィッシャーの世界展』に来ました。

「ブレーメンの音楽隊」や「ながぐつをはいた猫」など
誰もが一度は本屋さんでも見た事のある絵本の作家です。
家族のために描いた、手描きのお手製本や後年の版画まで
ユーモアを利かせたキャラクターの表情と、精密に描き過ぎない
のびのびとした線と対照的に、絵本という画面をよーく考え練った構図。
スルスル〜っと子供にも大人にも受け入れられ
心に残る絵です。

この美術館は三沢厚彦 アニマルズ+PLUS展以来でしょうか。
美術館も併設される酒蔵もお庭も気持ちのいい場所です。
盆梅もビューチホォー♪春ですなー。
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さて、ハンスも美術館もたっぷり堪能して
お茶でも飲もうという事になり、駅までぶらぶらと歩いてると

『・・・え?』

「もしや、貴方はブレーメンの???」
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by kohakuza | 2010-02-24 01:12 | art
王家と虎
節分が終わっても、中々春の兆しなく
寒さに縮こまってましたが
先日久々の京都にて、国立博物館の「THEハプスブルグ展」と
高麗美術館の「朝鮮 虎展」を観に行ってきました。
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高麗美術館は、初めていきましたが
住宅街の中に佇む姿が美しい、静かでどっしりとした美術館。
干支にちなんでの「朝鮮の虎展」は
伊藤若冲画 竹虎図の元となった伝李公麟画 虎図や
他にも虎を題材とした絵が沢山観れて面白かったです。
日本では虎と言えば竹林をバックに描かれているけれど
中国や朝鮮では吉兆を表す、カササギとセットで描かれていたりして
お国柄を感じる事ができます。
豹柄(雌は豹柄だと思われてたらしい)の虎が
いたりしてユニークで面白い。

もう一つは京都国立博物館の『THEハプスブルグ展』
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こちらもハプスブルグ家にまつわる人々の
肖像画を中心にドドーンと見応え充分。
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私が是非観てみたかったのはクラナッハの『洗礼者聖ヨハネの首を持つサロメ』
もぉ、コワ〜〜っ!ですが、どこか見入ってしまう美しさ不思議さ。
この絵を初めて知ったのは、澁澤龍彦著「幻想の肖像」の中で紹介されてたのが
初めてだったと思いますが、その時に衝撃を受けた自分と邂逅したような感じでした。
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まったく違う2つの展覧会。
普段は展覧会のはしご等しないのだけど
両方とも勢い付けて、絵に向かって挑んで鑑賞する感じなので
同日に観て良かったかも。
疲れてクタクタになりましたが
歴史を背負った絵は、絵に描かれていない部分を想像したり
又、想像以上のエピソードが隠されてたりで
面白かったです。



幻想の肖像 (河出文庫)

渋澤 龍彦 / 河出書房新社


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by kohakuza | 2010-02-05 01:16 | art
ゲイの栗鼠と月に住む猫のおはなし
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先日、新町でランチを食べた後、何気なく通りを入ったら
あれ?こんな場所にギャラリーあったっけ?と思って
その小さなギャラリーstudio Jを覗くと
とても楽しそうな作品をやっていたので、観させてもらった。

Johan Peter Hol(J.P.ホル) 個展
『ゲイの栗鼠と月に住む猫のおはなし』

会場: studio J

段ボールや粘土で作られた10分間のストップモーションアニメ。
キュートでどこかしら頼りない顔の主人公の栗鼠と
月に住むシッポのない青い猫は思わずカワイイ!のだが
そんな上辺だけじゃなく、タイトルにもなっている通り
作家J.P.ホル氏のセクシャリティがテーマになっている。

あらすじ:
ゲイであるために、親兄弟から「森」を追われ「地獄」へ追いやられた栗鼠は、
罪人ではないことを理由に「悪魔」にも地獄を追われて「都会」へとやって来ます。
そこで栗鼠は住む場所と仕事を見つけ、ディスコダンスなどいくつかのがっかりな冒険をし
さみしく部屋に引きこもってしまいます。
ある夜、栗鼠は窓から見上げた月に住む猫と恋に落ちます。その恋の行く末は…


と、中々ドラマティックで深いお話しなんです。
ただこれだけの内容を、10分間のストップモーションアニメで
一方通行な訴えだけではなく、表現されていて
それはセクシャリティだけに限らず、どんな人の中にも内省できる
テーマのようで、切なくも感じられるのでした。

東京、大阪で同時開催。
大きな立体作品によるインスタレーションがあって、
東京の会場ギャラリー・エフには「ゲイの栗鼠」が、
大阪の会場 studio J には「月に住む猫」がいました。
この距離感がいいなぁー。

大阪 studio J
10月3日(土)〜24日(土)
13:00 -19:00
日、月、火曜日休廊

東京 ギャラリー・エフ
10月16日(金)〜11月8日(日)
12:00-19:00(展覧会開催中は21:00まで)
火曜日 定休



ところで偶然出会った作品でしたが,作家のP.ホル氏はオランダ人。
そう言えばこの間、偶然出会った天満橋の巨大なアヒルちゃん
オランダ人作家ではないですか!
全然知らなかったけど、『2008-2009年は日本、オランダ年』だったのねー。
嬉しい偶然でした。

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by kohakuza | 2009-10-10 01:50 | art
Corteo in Osaka
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楽しみにしていたCirque du Soleilの『コルテオ』へ行って来ました。
中之島の国立国際美術館を越えた辺りに造っていた
青と白のサーカステントを見つつ、早く観たいな〜とワクワクしていたのですが
期待を裏切らぬ、素晴らしさでした。
それぞれの演技もスゴいのですが合間の演出から
衣装、音楽、セットに至まで怖いくらい隙なし!
総手描きの透けた緞帳をみるだけでも価値があります。
テントに一歩入った時から、観客も『コルテオ』の
行列に加わる事が出来ました。
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今回、母の誕生日のプレゼントにと、奮発してチケットを取ったのですが
母も大満足♪「外国旅行よりヨカッタ!」と大興奮。シメシメ。
私達の後ろに座っていた、御婦人チームは広島からバスに乗って
遥々やって来たのだそうですが
『これは来たかいがあった!チケット代が高いと思って迷ってたけど倍出してもいい!』と
豪気な事を話しながら、盛り上がってて
私達もふむふむと、頷いていたのでした。
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そして夢のような時間は
あっという間に終わり、テントを出ると道路の地熱が生暖かい大阪のオフィス街。
帰りに手渡された丸い団扇は、丁度有り難かったけど
「コルテオ行ってきました!」とデカデカ書いてあり、やや苦笑い。
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by kohakuza | 2009-08-15 23:54 | art
京都 ミヒャエル・ゾーヴァ展
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京都でやっていたミヒャエル・ゾーヴァ展を観に行きました。
京都駅はコンチキチーン♪の音色のお出迎えで
すっかり祇園祭ムードでした。

ミヒャエル・ゾーヴァ展は2年程前にも、同じISETANの美術館でも
やっていましたが、新しい作品や作家本人の仕事の紹介映像もあって
ゾーヴァのファンには嬉しい限り。

画集やポストカードを眺めるのも良いですが
原画を観ると、この絵は実際にはこんなに小さかったの??とか
こんな大きなキャンバスに描いてたのかー!!とか
その拡大縮小率が変わって印刷してあっても、
絵のパワーが全く失われていない事に
本当に驚きます。



ミヒャエル・ゾーヴァの仕事

ミヒャエル・ゾーヴァ


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by kohakuza | 2009-07-12 14:43 | art
『DRAFT展』dddギャラリー
四ツ橋のdddギャラリー にて、DRAFTの展覧会を観に行く。
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DRAFTって何だろう?と思っても
D−BROSのプロダクトをはじめ、様々な広告、グラフィック、
彼らのお仕事をまったく目にした事がない方は
いないかもしれません。
一つ一がグッと惹き付けられる仕事ばかりで
その全貌が展示されているので、とてもじゃないけど短時間では
見れない。しばらくやっているので、もう一度じっくり観たいものです。
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DRAFT設立30周年の記念と展覧会の開催にあわせ
宮田識氏の『デザインするな』の本も刊行されたので
こちらも是非読んでみたい。
このポスターの大きな樹のように、沢山の枝や葉や幹を支える
根っこの部分を少しだけ、DRAFTの仕事を覗けたような展覧会でした。

デザインするな―ドラフト代表・宮田識

藤崎 圭一郎 / DNPアートコミュニケーションズ



dddギャラリー
2009年4月24日(金)− 6月5日(金)
〒550-8508大阪市西区南堀江1-17-28 なんばSSビル1F
tel. 06-6110-4635
11:00a.m.−7:00p.m.(土曜日は6:00p.m.まで) 
日曜・月曜・祝祭日休館 入場無料

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by kohakuza | 2009-05-02 01:11 | art
ZINGARO 『BATTUTA』
やっと間近に観る事ができました。
騎馬スペクタクル ZINGARO ジンガロ 『BATTUTA バトゥータ』
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38頭の美しい馬と騎手、そして音楽。
目の前で砂を巻き上げて加速していく馬と騎手がエネルギッシュに
時にはストップモーションのように静かに交差していきます。
今回の演目『BATTUTA バトゥータ』のテーマはルーマニアの
ロマの結婚式に描かれる、遊牧民の躍動感ある自由な生き方。
ジンガロにはセリフは無いのですが、目にした人すべてが
国境に関係なく、遊牧するロマの人達と同じ風を頬に感じられる。

演目の着想を考える時、まず音楽を決めるというジンガロの創設者バルタバス。
今回のミュージシャンはモルドヴァ地方のブラスバンドと、
トランシルヴァニア地方のストリングスで、2組の楽団の音楽が
物語なき物語をいざなっていました。
ファンファーレ・シュカールとタラフ・ドゥ・トランシルヴァニアという
バンドの演奏も素晴らしかった!

とにかく馬と人と音楽の総合芸術なのですが、そこには恐ろしい程レベルの高い
馬術の技術や、バルタバスを中心として、公演中生活を共にし
世界を自由に巡るジンガロを創り上げる人達の
「絆」のパワーに魂を揺さぶられてしまいます。

あぁ、もしも目が10個ぐらいあったら、すべての動きや衣装のデザイン
騎手達や馬の表情まで追えるだろうけれど
とてもじゃないけど2つの目と耳では、見きれませんでした。
夢のように美しく、短過ぎる90分。
会場に入った瞬間の馬の香りが忘れられません。
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2年前にフランスで観た、同じくバルタバスの主宰する
ヴェルサイユ馬術アカデミーのエントランスホールも
エルメスカラーで素敵でしたが、今回の木場公園内ジンガロ特設シアターにも
エルメスショップがありました。
等身大ぐらいの木彫の馬が、さすが♪という感じです。
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観る前から興奮おさまらぬので、ワインで心を落ち着けるつもりが
余計に盛り上がってしまいました。

ジンガロは過去の公演を再演する事はないので
この『BATTUTA』を観られるのは、今回だけ。
そう思うと、もう一度観たくて観たくてたまりません。

ZINGARO 『BATTUTA』日本公演HP



美しき野蛮人、バルタバス

ジェローム・ガルサン


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by kohakuza | 2009-02-06 02:16 | art
太郎邂逅
渋谷から路線図と矢印を見ながら井の頭線へ走る。
電車は好きだけど、乗り換えは難解極まり無し。
コートを着てるのに汗ばみながら走ってると
パッと視界が開けて、そこに太郎が。
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ここだったんだ。
こんなに大きかったんだ。
予想もしてない出会いだったので、しばし時間が止まる。思わぬ幸運。
素晴らしいな、岡本太郎。

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仕事を終えて、再び渋谷へ戻り今度はじっくり『明日の神話』を眺めてみる。

沢山の人が行き交う中、いつまでもいつまでも
この絵を見つめる人がいました。

いつかある人が、「美しいものとは何ですか?」と質問された時に
「それは美しい物を見ている人の顔です。」と仰しゃった事を思い出しました。
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by kohakuza | 2008-11-27 01:17 | art
ブルーノ・ムナーリ展『あの手 この手』
滋賀県立近代美術館へ『ブルーノ・ムナーリ展 あの手 この手』を観に行く。
昨年末に板橋美術館で開催されていて、やっとこの滋賀の美術館にやって来ました。
ココへ来るのは久しぶり、私の所からだとかなり遠いのですが
近江に住んでいた祖母が健在な頃、たまに二人で訪れた思い出の美術館。
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ブルーノ・ムナーリ(1907-1998)は、グラフィックやプロダクトの
デザイナーとしても、絵本の制作や、持ち運びで来たり動く彫刻の制作や実験映像、
子どものための美術教育や玩具のみならず、本当に色んな活動を多岐にわたる分野で
活躍しそのどれもが独創的で、夢とユーモアにあふれた作品を世に送り出した
イタリアのアーティストです。
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私がムナーリを知ったきっかけは絵本。
目に飛び込んできた鮮やかな色とカタチ。英語で描かれていましたが
文字を理解しなくても、絵と文字の配置、そのカタチが想像力を引き出すものでした。
ムナーリは自分の子供に見せたい絵本が無くて、イッキに9作品の絵本を
製作し出版したそうです。
今回の展覧会では、この絵本をはじめ初期の絵画や彫刻
本の装幀など様々な作品が展示されてて、面白かった!
彼の作品を観てると、どんな人生の中にもユーモアと想像力が
大切なんだなーと思いました。
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また展示や図録のデザインが素晴らしいのですが、これは駒形克己氏
デザインで、さすがー!という感じ。
初めてムナーリを見た人でも大人子供に関わらず、楽しく観れます。

私が行った日は、たまたまかもしれませんが
学芸員の方のギャラリートークがあったのですが
素敵な女性の学芸員さんで、お話しも分かりやすく楽しく聞かせてくれて
ムナーリを初めて観られる方は、是非お薦めです。
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彼の本はとても素晴らしいのですが、本そのものの作りが凝っているせいか
絶版になってる物が多くて残念。
知育玩具など珍しい玩具から、Tシャツ、トートバッグなど
かわいいグッズも販売してました。


生誕100年記念
『ブルーノ・ムナーリ展 あの手 この手』


滋賀県立近代美術館
会期  2008年5月31日(土)〜7月6日(日)
休館日  毎週月曜日
開館時間  午前9時30分 〜 午後5時(入場は4時30分まで)




闇の夜に
ブルーノ・ムナーリ




ファンタジア
ブルーノ ムナーリ
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by kohakuza | 2008-06-24 21:40 | art