本当に淡々と、ある夫婦の10年が描かれているのですが
その視点が知らないうちに、観てる人の10年と重なっていく。 ココが良かったとか、沁みた!とかいう場面は沢山あるのだけれど そんな簡単な言葉じゃ表現出来ないのは この物語が始まる1993年から9.11テロまでの10年間は、 自分の大切な思い出の他にも、社会の意識や意義が 大きな黒い波にゆっくり呑まれていくみたいに 変わっていった時代だったからなのかなー。 いやー、振り返って思うとスゴイ時代に生きてしまった。イヤ、生きてるのだ。 こんなに長時間、まじまじと見入った事の無い人だけど きっとカナオのように、どこか頼りな気で、いい加減なんだけど 嘘のない人なんだろう。 橋口監督が、この役にリリーさんをキャスティングしたというのが納得できる。 何にせよ、こりゃ今更ですが『東京タワー』読んでみようかと 思う程、カナオという人物は愛すべき人でした。(←ダブってます) そしてカナオの妻、翔子を演じる木村多恵。もう美しいったらありゃしない! 絵を描く事によって、どんどん精神が再生し美しくなっていく姿は 今までのどんな役よりも、この人が光ってたんではないでしょうか。 そんなこんなで元々は法廷画家ってどんな仕事なんだろう?と いう部分が気になって、何気なく観に行ってみたのですが とてもとても心に残る映画、可笑しくって映画館が大笑いする場面も あるのですが、いつの間にか泣いてるような。 橋口監督の『ハッシュ!』のメンバー、田辺誠一や片岡礼子も 少しだけ出ていたのですが、片岡礼子はスゴイ存在感でした。 あの場面だけポッカリと空気が変わったように思う程。 そしてエンディングに流れるAkeboshiの『Peruna』という曲が すごく良く、余韻が残り続ける。 淡々とゆるやかなようで、何から何まで橋口監督のこだわりが 感じられ、丁寧に作り込まれた静かで強い作品だった。 『ぐるりのこと』オフィシャルHP Roundabout(初回生産限定盤)(DVD付) Akeboshi
by kohakuza
| 2008-07-02 00:49
| cinema
|
カテゴリ
以前の記事
タグ
design
PARIS
cafe
美術館
旅
live
Tokyo
VQ1005
京都
Bookshop
Soy sauce
Wasabi
岡山散策
pain
ノリモノ
animation
Novel
French
Chinese
Musical
最新のトラックバック
お気に入りブログ
小人閑居日記 dada-log スローCatsライフ 龍眼日記 Longan... 猫茶園 ヒンシツカンリノオタノシミ Ballroom bubbles of pop coffee days/... Lenzgesind エッフェル塔マニアの「そ... ライフログ
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||