小川洋子さんの2冊目。
読み始めた時から、終わって欲しくない、どうか悲しい最後にならないで欲しいと 祈りたくなるような物語。 と言いながら、あっという間に読み切ってしまった。 いつも埃をかぶった標本の並ぶ理科室みたいに、人を寄せ付けない閉じられた 窓の内側に暮らす人達の世界を、光溢れる文章にしてしまう小川さんの作品だけど その中でも、ひと際木漏れ日が降り注ぐような物語。 しかし難しい数式と阪神タイガースの江夏豊と言うピッチャー、全く相反するような この組み合わせを、まるで映画のストップモーションように美しく表現しているところが 素晴らしい。逆にこの原作を映像表現するのは難しかっただろうけど・・・。 小さい頃から数学には極端な拒否症状出してた私。 博士の言うように数学と身近な物との接点に触れる事ができたら きっと今よりはマシ?だったかもしれない。 (とか思いながら、ニンテンドーDSの脳年齢41才になってしまった。ガーン) ギリギリではあるが、映画が封切りになる前に原作を読めて良かった。 寺尾聡さんの博士は何だかピッタリのような気がする。 80分間の記憶やタイガースのゲームはどんな風に映像化されてるのか 興味深々である。 博士の愛した数式 小川 洋子 / 新潮社
by kohakuza
| 2006-01-26 14:27
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