『Paris, Je T'Aime』 パリ、ジュテーム
パリ珍道中の相棒と一緒に出かけました。
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パリを愛する18人の監督が映し出す、たった5分間のショートストーリー。
世界中から集まった監督達の感性がパリを内から外から描いていて、
そこには沢山の愛と切なさが詰まっている。
どれも感慨深い物があったけど、私が印象に残った3本を。
しかしこんなにもパリを愛する人が多いのは、この心にチクンとくる切なさのせいかしら。
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『エッフェル塔』 7区
エッフェル塔のすぐそばに、ひとりの男が住んでいた。彼にとって、パントマイムを演じることは人生のすべてなのに、気味悪がって誰も相手にしてくれないから、いつも独りぼっちだ。そんな彼が不審者と間違われて放り込まれた留置所で、女性のマイム・アーティストと運命的な出会いを果たす。似た者同士、すぐに意気投合したふたりの間には、やがて可愛らしい男の子が生まれる。

まずは大好きな『ベルヴィル・ランデブー』を作った、フランスのシルヴァン・ショメ監督。
映画の中なのに本のページをめくるような、世界観で
パントマイムで表現される主人公の表情が、そのまま観客の心に飛び込んでくる。
砂漠でダイアモンドを見つけたような、運命の出会いのシーンには
心がふわっーと暖かくなる。5分と言う時間を最大に生かした作品。
彼が出会う運命の女性マイム・アーティストを演じてたのは、「アメリ」でアパートの
大家さんを演じてたヨランド・モロー。

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『お祭り広場』 13区
広場の真ん中で、若い医学生のソフィが、何者かに腹を刺されて瀕死の重傷を負ったハッサンに応急処置をしている。献身的に介抱してくれる彼女を見て、ハッサンはふと思い出した。駐車場の雑用係をしていたとき、車を入れに来たソフィに一目惚れして、お茶に誘おうとしたことを。薄れゆく意識の中で、ハッサンは、あの時に実現できなかった、ソフィとコーヒーを飲む夢をかなえようとするが。
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ドイツ人の両親を持つ南アフリカ、ケープタウン生まれのオリヴァー・シュミッツ監督。
この監督の作品を観たのは初めてだったけど、強烈に印象に残る1本。
他の作品も是非観てみたい。
パリは移民の国。特にアフリカ系移民は多くて、ツーリストの私から見てもその仕事の
苛酷さが伺われる。そんな状態でも国を出てパリに来たハッサンが瀕死の重傷を負いながら
口ずさむ歌が余りにも切ない。ソフィを見つめるハッサン役のセイドゥ・ボロも初めて見る役者さんだけど本当に目が美しかったー。この作品が5分だったとは思えない!

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『14区』
アメリカのアレクサンダー・ペイン監督。
デンヴァーで郵便配達するキャロルの、パリでの“特別な1日”の物語。ひとりで憧れのパリへやって来た彼女は、ひとりで街を眺め、ひとりで食事をする。自分は自立した大人の女だし、1人旅は自由だが、「きれいね」と言いたくても誰もそばにいないのは、なんだか味気ない。そしてある日、キャロルは14区で小さいけれど美しい公園を見つける。その公園のベンチでサンドイッチを食べていたとき、“あること”が起きる。それは、キャロルにとって、何かを思い出したような、ずっと待っていたような不思議な出来事だった。

あぁ・・・。もう、パリだけではなく海外へ旅行して、彼女のような想いをした人は
沢山いるんじゃないかな?
余りにも共感し過ぎて、これって私の話し?と思わずにはいられない〜。
一生懸命お金を貯めて、やっと来たパリ。2週間ぐらいは来たかったけど犬がいるから
6日間の旅行になったキャロル。そんな彼女が泊まっているのは、
お洒落でアンティークなプチホテルじゃなくて、味気ないビジネスホテル。
そしてパリの古い街並を見下ろす59階の高層ビル、モンパルナスタワーからの眺めは
あまりに高層すぎて、何もかもが小さ過ぎる。
このタワー、初めて見た人ならあの何とも言いようの無い違和感を感じずには
いられないでしょう。
必死で覚えたフランス語で話しかけ、英語で答えられる。
街の人に聞いたお薦めレストランは中華。
著名な作家が眠る墓地をガイドブックとベルトポーチ姿で訪れるキャロル。
パリに憧れる誰もが体験するだろう、小さいガッカリ感が積み重なって
寂しさが心に押し寄せて来る頃、14区の小さな公園で彼女が体験する”あること”。
この”あること”とは?
多分、見る人によって違うのじゃないかしら。
でも何だかポロポロと涙がこぼれました。


他にもウォルター・サレス監督の「16区から遠く離れて」や私達がクスクスを求めて通った
5区のモスケ・ド・パリが出てくる「セーヌ河岸」、それに多くの時間を過ごした10区のサンドニ門が登場する「フォブール・サンドニ」もよかったー。
そしてエンディングに流れるファイストの「我々はみな踊りの中に」La Meme Histoireが
とてもよく映画に合っていて、18本のストーリーを結びつけてくれる。

もしかしたら、最高にいいタイミングでこの映画を観れたのかもしれない。
何せ今の私がまさに「パリ・ジュテーム♡」
もう一度、パリへ行きたくなりました。


「パリ・ジュテーム」HP
パリ、ジュテーム~オリジナル・サウンドトラック
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by kohakuza | 2007-04-02 01:56 | cinema


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