『フィッシャーキング』
先日「あつさのせい?」でテリー・ギリアム監督の『ローズインタイドランド』の開始時間を
間違えてしまった。レイトショーだったし最終日だったので、観る事かなわず。
あまりに悔しいので(自分に)帰りにギリアム監督の「フィッシャーキング」を借りるコトにした。
私のベストギリアムは「未来世紀ブラジル」「バロン」「バンデットQ」
そしてこの「フィッシャーキング」
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(ストーリー)
ニューヨークの人気毒舌DJ、ジャック(ジェフ・ブリッジズ)はある日、自分の不用意な発言によってリスナーの一人が大量殺人事件を引き起こしてしまう。数年後、DJをクビになり、ビデオショップの恋人アンのしがないヒモ暮らしを送るジャックは、同じく例の事件で、目前で愛妻を殺された事をきっかけに精神を病んでしまい、ホームレスになった元大学教授のバリー(ロビン・ウィリアムズ)に出会い、彼に頼まれて人生を変える不思議な力をもつキリストの聖杯を探すことになる…。



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この解説を読んだだけで、何もそこまでシビアな
設定にしなくてもいいじゃない!と言いたくなるが、この内容にしてニューヨークを舞台にした
ファンタジックなラブストーリーであるのは、
やっぱりギリアム監督だから。



この作品の中に私が今までに観た映画の中でも、最も美しいと思うシーンがある。

それはパリーが恋した不器用な女性リディアの、朝の出勤を目で追うシーンなのだが
彼が彼女をラッシュの中で見つけると、突然セントラルステーションを行き交う大勢の
見知らぬ人同士がワルツを踊りだして、舞踏会のダンスホールのようになるのです。
その夢のような世界は、あっという間に又ラッシュの駅の人ごみに戻ってしまうのですが、
このワンシーンでパリーの「恋」と「切なさ」の気持ちが痛いほど表現されている
素晴らしく美しいシーン。
「恋」って素敵!と誰もが素直に思えるはず。

主役のロビン・ウイリアムズ と ジェフ・ブリッジズも本当に素晴らしい演技なのだけれど
ダメダメ男のジャックの贖罪を助けようと、見守る恋人のアン(マーセデス・ルール)には思わず気持ちが入れこんでしまうし、パリーの恋の相手で不器用すぎる女のリディア(アマンダ・プラマー)もその不器用さが見守らずにはいられない、カワイイ女性を演じている。

感情を出しすぎる情熱の女のアンと、不器用で根暗のリディア、二人の女の性格はまるで違うのだけれど、二人の愛の深さと一本筋の入った強さが、このファンタジックな妄想をかかえる男達をしっかり支えていて、この映画に共感し感動できる所だと思う。


この映画の中のニューヨークは、まだファンタジーの許される街だったような気がする。
1991年の映画だけど、もっとずーっと昔の映画を観たような気持ちになってしまって
余計に切なく美しく感じれる、1本です。





フィッシャー・キング
/ ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
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by kohakuza | 2006-08-15 05:24 | cinema


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