大悪友と『寝ずの番』
先日、大悪友のUから突然電話があり、映画に行く事になった。
この大悪友と言うのは、いわゆる悪友のスーパーバージョンで親友ではある物の
お互いの人には言えないような事を「墓場まで持って行こう!」と言いあって、
弱味を握りあってる友人である。幸い今の所、二人とも墓場に行く予定は無さそうだけど
先に死んだら間違いなく、私の愚行悪行に脚色を加えて、皆に披露し笑わせてくれる事だろう。
有り難いやら、怖いやら・・・・。

彼女と見に行ったのは、『かもめ食堂』・・・・のはずだったが、公開してからしばらく経つのに
満員で並んでいる。並ぶのは苦手なのでサッサと『寝ずの番』にした。(エライ違いですが)
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上方落語界の笑満亭橋鶴のお通夜を、弟子達が「寝ずの番」をして語らうストーリーで
評判通りかなり際どい?と言うか、小学生の落書きみたいにそのままズバリの表現なので
テレビで放送される事は無いだろうから、そう言う意味では映画館で見ておいた方がいいかも。

見に来ているお客さんの年齢層は、かなり高いように思えた。
とにかく艶話(下ネタ)の連打パンチなので、笑うに笑えない場面も沢山あるのだが
この際、ゲラゲラ、カカカとアッケラカンと笑い飛ばして、作品の波にのった方がいいようだ。
私も深く考えず、オヤジギャグのパンチドランカーになる事にした。

しかしどう考えても、爆笑の場面でお隣のご年配のご夫婦が号泣していたのは
「えっ?ここ泣くとこ??」とビックリしたが、ヒトそれぞれツボがあるらしい。
結局その深さは分からず終いに終わってしまった。

上方落語の話しなので、普通なら一人ぐらいは関西のお笑いの芸人さんを配役しそうだが
笹野高史、岸部一徳、富司純子、などの名役者さんを起用しており
作品が「えげつなく」ならなかったのが良かった。
今まであんまり個性を感じなかった木村佳乃は、この作品ではイキイキして光っていたし、
弟子の橋枝役の木下ほうかは、ひねくれ者の輝きがあって面白かった。

エンドロールに落語指導で桂 吉朝、桂 吉弥、と名前が出ており
吉弥さんはチラリと出演されていた事が、何だかホッコリしてしまった。
原作者の中島らもさんも、桂 吉朝さんも、もうこの世にいない事が
まるで映画の中だけの出来事みたいだなーと思った。
二人は天国で映画を見て「まぁ、こんなもんやろなー」と笑ってるように思える。


寝ずの番
中島 らも / 講談社
ISBN : 4062732793
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by kohakuza | 2006-05-23 17:54 | cinema


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