メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬
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19日まで梅田のガーデンシネマで20:20から一回だけやってる
『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』を滑り込みで見に行く。
(まだ見てない方はお急ぎを!そしてこの下は読まないでね)

最近缶コーヒーのCMにも出ている渋い俳優、トミー・リー・ジョーンズが主演と監督をした力作。
テキサスとメキシコの国境を舞台にカウボーイの仕事を得るため不法入国でやって来たメルキアデス。(フリオ・セサール・セディージョ)その彼に仕事を紹介し友情を深めて行くピート(トミー・リー・ジョーンズ)ある日国境警備隊のマイク(バリー・ペッパー)の思い違いで殺されてしまう。
「俺が死んだら故郷ヒメネスへ運んで埋葬してくれ」とメルキアデスから言い残されていた
ピートは、彼を殺してしまったマイクに遺体を掘り起させて、遺体を埋葬するために故郷ヒメネスへと奇妙な旅を始める。

それにしても不思議な映画だった。
殺伐とした国境に近いテキサスと夢の国のようなキッチュな色合いのメキシコの背景が、
更に現実感を失わさせる。
映画の中に煙で書いた文字のようなキーワードが隠されていて、見終わった後に
その言葉がこちらに問いかけて来るような感じだ。
メルキアデスとピートの間にあるのは友情なのか?愛なのか?
「殺意の無い殺人」に罪を問えるのか?
何故、老人の願いを聞かなかったのか?
ピートは何故復讐ではなく、マイクに贖罪の旅をさせたのか?
メルキアデスは何故、架空の故郷へ帰りたがったのか?
この見えない部分が作品に深みと余韻を出している。
「男の友情」なんて言葉は陳腐で当てはまらないような気がする。

主演・監督のトミー・リー・ジョーンズは素晴らしいのだけれど
ビックリしたのはマイク役のバリー・ペッパーだった。
とにかく「顔」がメチャクチャ危ない。
「ブレードランナー」のレプリ役のルトガー・ハウアーや
若いときのクリストファー・ウォーケンを初めて見た時のような、
衝撃のかなり危ない顔である。
そして映画の始めの方ではホントに最悪の男を演じ、ピートとの旅を続けるうちに
次第にアクが抜けて、まるで弟子のような息子のような顔つきになって来る。
最後のシーンの彼のセリフがいつまでも印象に残る。

『一人で大丈夫なのか』


『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』
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by kohakuza | 2006-05-14 15:14 | cinema


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